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複雑さと共に暮らす デザインの挑戦
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新曜社 |
発売年月日 | 2011/07/30 |
JAN | 9784788512474 |
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商品レビュー
4.1
17件のお客様レビュー
なぜ,自社の製品・サービスは(例えば)Appleみたいにシンプルにならずに,ごちゃごちゃしてしまうのだろうか?この本を読むととても勇気づけられる。ごちゃごちゃしてしまうのは,必ずしも間違いではない,問題はそこではない,というのがこの本の答え。シンプルなのが目的ではないってこと。 ...
なぜ,自社の製品・サービスは(例えば)Appleみたいにシンプルにならずに,ごちゃごちゃしてしまうのだろうか?この本を読むととても勇気づけられる。ごちゃごちゃしてしまうのは,必ずしも間違いではない,問題はそこではない,というのがこの本の答え。シンプルなのが目的ではないってこと。 デザイン担当でなくても,営業でもサポートでも開発でも(もちろん生活者でも),その製品・サービスと接する機会があるのであれば,読んでおきたい。インターフェースがいじれなくても,できることはいろいろあることがわかるはず。 お客さんが,自社では思いつかないようなことを考えてくれている,そういう場面に立ち会うことがあった。決して洗練されたシステムではないのに。だけど,役に立っているのだ。だからこそ,いろいろと考えてくれるのだ。こういうところからの要望はの答えには窮することは間違いないんだけど,どこか嬉しくなってしまうだよね。
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本書の主題は実世界やテクノロジーがはらむ必然的な「複雑さ」と共生するためのデザインにどう取り組むか、というところ。本書で紹介される重要な概念が「シグニファイア」。 「実世界の複雑さにもかかわらず、我々の多くは何とかうまく機能している。我々は過去の知識や経験を利用できない新しい状況...
本書の主題は実世界やテクノロジーがはらむ必然的な「複雑さ」と共生するためのデザインにどう取り組むか、というところ。本書で紹介される重要な概念が「シグニファイア」。 「実世界の複雑さにもかかわらず、我々の多くは何とかうまく機能している。我々は過去の知識や経験を利用できない新しい状況においても、何とかやっていくことができる。これは、ある程度は他の人の活動によって与えられるわずかな手がかりを通してなされる。人の活動には、その痕跡を残すという副次的作用がある。我々はそれによってその人たちの跡を辿ることができるのである。これはほとんど意識的な気づき無しに行われるが、この副次的作用は重要な社会的サインである。私はこれを『社会的シグニファイア』と呼ぶ。社会的シグニファイアによって我々は複雑で、混乱してしまいがちな環境内を動き回ることができるのである。」 なお、「アフォーダンス」と区別されるものとして注意を喚起している。 「…シグニファイアは、それが意図的なものであれ、意図的ではないものであれ、適切な行動への知覚可能なサインである。それは、デザイナーが自然で快適なやり方でコミュニケーションできる強力なツールである。その快適さはデザイナーだけでなく、そのデザインを使用する人にも当てはまるものである。… シグニファイアは強力なデザインツールである。デザイナーはすでにこれを利用している。残念なことに、シグニファイアは非常に似た概念である『アフォーダンス』と混同されることが多い。アフォーダンスは関係性である。これは、あるモノに対して人がとりうる行動を語りかける。…ギブソンにとってアフォーダンスとは、生体の持つ可能性とモノの持つ可能性との間の関係性であって、それらは存在に気づくか気づかないかには関係なく実世界に存在するものである。 1988年に、私はアフォーダンスの概念をデザインの世界に応用した。…ギブソンにとっては、誰かが気づくかどうかにかかわらずアフォーダンスは存在する。しかし、デザイナーにとっては、アフォーダンスが分からなければ、それは存在しないのと同じなのだ。言い換えれば、デザイナーはそもそも知覚されたアフォーダンスのみに関心を持っている。知覚ということが重要なのだ。… 私はアフォーダンスとシグニファイアを区別することをデザイン界に強く要請する。多くの場合、アフォーダンスという言葉は使わない方がよい。なぜならデザイナーはいつも知覚されるものだけを気にかけているからであり、それはシグニファイアなのだ。…適切なシグニファイアを選択する科学と技法は重要なデザインスキルだ。優れたデザインにはシグニファイアがあって知覚され、情報を伝えるだけでなく、美的に好ましく、製品の他の部分と調和している。」
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テクノロジーの進展と共に我々の社会はますます複雑さを増しつつあり、一見すると複雑さは「悪」と捉えられることもしばしばである。しかし、ここで人間中心主義のデザインやユーザインターフェース提唱の第一人者であるドナルド・ノーマンは、「複雑さ」と「分かりにくさ」を切り分け、状態としての...
テクノロジーの進展と共に我々の社会はますます複雑さを増しつつあり、一見すると複雑さは「悪」と捉えられることもしばしばである。しかし、ここで人間中心主義のデザインやユーザインターフェース提唱の第一人者であるドナルド・ノーマンは、「複雑さ」と「分かりにくさ」を切り分け、状態としての「複雑さ」ではなく、心理的知覚である「分かりにくさ」が悪であることを主張する。 なぜ、物事が複雑になるのかといえば、それは我々の人生が複雑であるからである。そして、「複雑さ」を「分かりやすさ」に転化するために、以下のようなアプローチが必要であることを説く。 ・人とモノ/サービスの間の一連の行為やインタラクションの流れにを「概念モデル」として提示すること ・ある行為を取らせたくない場合には、「強制選択法」により、その行為が取られないようなデザインを設けること ・環境が人に対して特定の行為を促すような関係性である「アフォーダンス」が不足しているのであれば、「シグニフィア」(ドアの取っ手は、そのドアを引っ張ることを示唆するシグニフィアであり、フラットなドアは押すことを促すシグニフィアである)を人為的にデザインすること 本書の「デザイン」という言葉が意味するところは何もモノだけが対象ではない。むしろ、サービスにこそデザインが必要ということが繰り返されており、経営学におけるサービス・マネジメントの観点からも大いなる示唆が得られる。 具体的には第7章の「待つことのデザイン」では、待ち行列の不快感を低減させるために6つの具体的な指針が示される。 1.概念モデルを提唱すること 2.待つことが適切であると受け取れるようにすること 3.期待に応える、あるいはそれを上回って応えること 4.人々の心をとらえておくこと 5.公平であること 6.終わりと始まりを強調すること
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