中年の眼にも涙 文春文庫

田辺聖子(著者)

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 1979/08/09
• JAN: 9784167153120

商品レビュー

2013/06/29

中年男が主人公の短編連作集。どの中年男もキャラクターは
そう変わらない感じがするが、飽くことなくどれもおもしろかった。
むしろ、それぞれを微妙にしか違えない風に、かつ面白く書く
聖子さんの力量がすごい。ましてや中年男を。
世の中年男性にぜひ読んで、ココロをほぐして欲しい。

2012/06/15

面白かった。中年（40歳～50歳）のサラリーマンの嘆き。
昭和40年代の内容だから、今の時代のようにパソコンもなく、携帯電話もない生活である。
子供たちも中学生・高校生たちであり、妻も家庭以外に社交の場を持っている。
家庭の中で一人孤立する夫・父親である。
戦前・戦中に学生時代を過ごし、勉強どころではなかった世代である。
自分の学生時代と息子や娘の学生時代の過ごし方を比べながら、
ひっそりとお酒を飲んでいる。
その気持ちがわかるような気がする。同世代である。

2012/02/23

中年のおじさん達の物語がつまった短編集。
考えがちょっと時代遅れで、それ故家族に疎まれたりなどしながらも、それぞれポリシーを持って生きているおじさん達。
男の身勝手さもありつつ、妙に核心をついていたりするおじさん達のポリシー。決して格好良くはないけど、現実と折り合いをつけているおじさん達の生き方を垣間見ることができ面白かったです。