三悪人 講談社文庫

田牧大和【著】

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2011/07/15
• JAN: 9784062770019

商品レビュー

2024/07/07

若いころの、遠山金四郎、鳥居耀蔵、水野忠邦の、
狐と狸の化かしあい。

「悪人」とはいえど、金四郎も鳥居も、悪だくみが好きな悪ガキという感じで、真の悪人というなら、水野。

自らの奸計の行く末しか頭になく、冷たさ全開である。

おまけに容貌が美しいときているから、後になって妖怪と称されるのは鳥居なのだが、こっちこそ、妖怪。

ここでの鳥居は、女人に特別な思い入れがあり、
情に甘いところも見受けられ、その垣間見られる可愛げが、
思いがけない魅力になっている。

祐天寺が燃え、焼け跡から、若い僧と、そして女人の
遺体が見つかる。

その若い僧が、金四郎のなじみの遊女、夕顔の弟だと
わかってから、金四郎と鳥居は…。

2020/02/23

http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2012/04/vs-2266.html

2019/02/27

面白かったことは面白かったけど、遠山金四郎や水野忠邦でなくても、全然成立する話だよねー。必然性もなくビッグネームに寄り掛かろうとする姿勢は、ちょっと戴けないなあ。あと、水野忠邦が薄っぺら。特に容貌についての描写がありきたりで、寧ろ下げてるよ、これじゃ。
ただし、忠邦の見極めの甘さー只々、権力者に阿るだけじゃなくて、それと同時に聖職者としての矜持や意地も持っていることをつかみ損ねてコケるところーは痛快だった。