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失われた足跡
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 1984/08/01 |
JAN | 9784081260034 |
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失われた足跡
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商品レビュー
4
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
失われた足跡のみの感想です。芳醇な言葉の洪水が、私には難解に思われ、なかなか読み進めることが出来なかったのですが、ジャングルに差し掛かる辺りから、物語に入り込めました。現実の世界から遠く離れた場所への旅は、時を遡る旅にもなることを実感した主人公。たどり着いた場所が自分の居場所だと思っていた主人公のその後の結末が、私にとっては、意外でした。と同時に、こういう結末に女性が関わっているのは、現実的な感じもあると思いました。拙い言葉で申し訳ないのですが、最初は文明の発展していないありのままの自然を崇拝するだけの話だと思っていたのですが、読み終わった後は、すごく人間くさい部分もある話だなと思えました。60年以上前の作品とは思えないくらい、共感できる点がありました。また、剥き出しの自然の怖さや厳しさ、美しさを表現される文章が素晴らしく、色々な読み方が出来る小説だと思います。文章が読みづらいのはあると思いますが、何とかジャングルまで読んでいただければ、それまでと少しイメージが変わってくると思いますので、ぜひ。
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カルペンティエルはこれが3冊目、初めて面白いと思えた。というよりカルペンティエルのやりたかったことが初めて理解できた。 『失われた足跡』 博物館館長の依頼で、ラテンアメリカのジャングルの中に原始的な楽器を探しに旅立った音楽家の旅行記の体裁をとった小説。 旅は当初、普通の旅と同じ...
カルペンティエルはこれが3冊目、初めて面白いと思えた。というよりカルペンティエルのやりたかったことが初めて理解できた。 『失われた足跡』 博物館館長の依頼で、ラテンアメリカのジャングルの中に原始的な楽器を探しに旅立った音楽家の旅行記の体裁をとった小説。 旅は当初、普通の旅と同じく、空間の移動であったが、次第次第にそれが時の移動、時代の遡行へと性質が変じてくる。その過程で、主人公自体も文明の中で身に付けた知識、価値観を一つ一つ剥いでいき「裸」の状態へと帰っていく。 しかし結局、主人公は「こちら」側の人間ではなかった。一度「遡った」河への入り口は、そこを去った後ではもう見つからない。 主題となってる時の扱い方はもちろん、ラテンアメリカの驚異的な現実が実に自然にさりげなく表現されているのにも感嘆するし、単純に冒険譚としても面白い。また都会人、現代人の抱える病理をも描き出している。 カルペンティエルの描き出した世界の中に、時間を遡る旅に、すっかり自分も夢中になってのめりこんだ。 この本自体、見事な魔力を備えている。★★★★★ 『時との戦い』 数編の短編からなる。本書では「聖ヤコブの道」「種への旅」「夜のごとくに」「選ばれた人びと」の4編を収録。 標題が示しているように、様々な時間の扱い方をした作品が並ぶ。「聖ヤコブの道」「夜のごとくに」は円環的な時間を、「種への旅」は時間の遡行を、「選ばれた人びと」は過去と現在の共通性を、それぞれ枠組みにしている。 この枠組みを使うことで、きわめて短い個別的な出来事を、普遍的な意味合いを持たせることに成功している。この構成の巧みさには唸らせられる。★★★★
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