生かされて生きて 元ひめゆり学徒隊“いのちの語り部"

与那覇百子【著】, 天理教道友社【編】

• 販売会社／発売会社: 天理教道友社
• 発売年月日: 2011/07/01
• JAN: 9784807305582

商品レビュー

2011/09/18

ブクログさん登録。壮絶で克明な歩みを描いている。捕虜になってでも生きていることは、恥ずかしいことと教えられていた。それでもつい口を衝いて出た「生かされているんだね……」。天理教の言葉だが、純粋に人間として次々と無信者のみなも賛同したという件（くだり）。生きたいね。そうどんな時でも人は生きたいのだ。いつでも忘れてはならない大切なことだと思う。

私たち若い日本人は、戦争に直に触れる術を持たない。本から得た知識で想像するしかなく、ここまでリアルに描かれた本であっても、やはりそれは熱さであって熱さではない。痛みであって痛みではないのだ。
だとしても、語り部がいることは望ましいこと。そして私たちは想像力を逞しくする努力、もっと、もっとと知ろうとする、渇望する努力をせねば。
世代は変わり始めている。幸せな社会を作る、その担い手は私たち若人なのだから。まずは知ること……正しいことを。素晴らしいことを。考えることの大切さを。
本書は沖縄地上戦の正しい知識を教えてくれる。そしてもうひとつ、朝を迎える尊さをも知らしめてくれるのだ。
私たちはみんな、生かされて生きているのだと。