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村上春樹と夏目漱石 二人の国民作家が描いた“日本" 祥伝社新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 祥伝社 |
発売年月日 | 2011/07/02 |
JAN | 9784396112431 |
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村上春樹と夏目漱石
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村上春樹と夏目漱石
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商品レビュー
3.8
7件のお客様レビュー
国家と時代に対峙して作家も作品も存在する。 著者にとって初めての研究所以外の著作と断られているが、大衆性を持ちつつ、専門性に裏付けられた切り口の深さはさすがだ。 漱石も春樹も個人的に愛好しているが、国家論、時代論として見た場合、作品が含意しているものがある、という視点は汲めど...
国家と時代に対峙して作家も作品も存在する。 著者にとって初めての研究所以外の著作と断られているが、大衆性を持ちつつ、専門性に裏付けられた切り口の深さはさすがだ。 漱石も春樹も個人的に愛好しているが、国家論、時代論として見た場合、作品が含意しているものがある、という視点は汲めども尽きぬものがある。
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印象に残ったのは、第七章冒頭の『ノルウェイの森』についての説明です。第三章の末尾に直子の象徴的な死を物語る場面(「僕」が「突撃隊」からもらった蛍を空に放つ場面)があり、第四章から緑が登場していることから、緑が直子の転生者であることを暗示しているという説明、そして春樹自身がデザインした装丁について、上巻の〈赤〉は六〇年代末の情念的な昂揚、あるいはそれが渦巻いていた東京という大都会を示し、下巻の〈緑〉は直子がそこから離れて身を置くようになる阿美寮のある京都の山中を示しているという説明です。
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村上春樹と夏目漱石が「国民作家」と言われる所以は、その二人が描く作品は日本という国の時代性をその作品に色濃く反映し、自らの日本に対する思想を作品を通して表現しているからである。 このようなことが「はじめに」にかかれており、この本では、村上春樹と夏目漱石の作品の内容をその時代における日本の問題と照らし合わせながら解説していく。 例えば、『吾輩は猫である』の「吾輩」は<日本>の寓意であり台所の「鼠」は<ロシア>であり、「横暴な人間」は<西洋人>だというように。 漱石は明治における戦中の日本を引き受けていたのに対し、春樹は昭和の戦後の日本を引き受けている。そして二人に共通しているのは近代以降の個人主義思想をベースにおいていることである。 謎解きのような解説だけでなく、やはり日本を代表するこの二人の文章は素晴らしいので、引用部分を読んでいるだけでもなかなか面白い。 さて、僕がここで大切だと感じたことは、世界のフラクタル性(自己相似性)である。 漱石が国家間の関係を日常の人々の関係に落とし込んだのは意図的であるが、このようなフラクタルな構図は現実世界でも「不可避に」起こりえる。 僕の思考が不可避に僕の思考方法に制限されるように、僕の思考方法は僕の身の回りの環境に制限され、僕の身の回りの環境は社会に制限されている。 だから、自分の思考・生き方は必ず時代性を帯びている。このことは、切実に理解しておく必要がある。 「個人主義」を深く考え抜いたこの二人は、より一層このパラドックスと向き合ったに違いない。 「日本における個人を追求していくと、歴史に行くしかない」と春樹は述べている。 そしてまた、歴史を追求していくと個人にたどりつくというのが世界の奥深さである。
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