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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 偕成社 |
発売年月日 | 1980/01/12 |
JAN | 9784039600806 |
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商品レビュー
4.3
11件のお客様レビュー
細密画のように美しく、古代の空気を感じる絵が素晴らしい! ナイル川の岸辺でのんびり暮らしていたわにくんが、浮かれ気分のご婦人の言葉を聞いて、「わにの みせ」のあるパリへと旅立ちます。パリの人々の反応が笑えます。やっぱりワニが出現したから? 「わにの みせ」の実態を知ったわにく...
細密画のように美しく、古代の空気を感じる絵が素晴らしい! ナイル川の岸辺でのんびり暮らしていたわにくんが、浮かれ気分のご婦人の言葉を聞いて、「わにの みせ」のあるパリへと旅立ちます。パリの人々の反応が笑えます。やっぱりワニが出現したから? 「わにの みせ」の実態を知ったわにくんの目に涙がこぼれ、衝撃のラストが!crocodile tearは英語で「空涙」という意味ですが、この涙はわにくんの真情に違いありません。
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たださんの本棚から図書館予約 そのカウンターで表紙にくぎ付け このわにくんナニモノ? 額に縁どられたこの絵 なんて美しくてかなしくて静かで激しいのでしょう ナイルの川岸からパリへ シャンゼリゼのお店へ そして 今はナイルの川岸で暮らす そう、それが表紙のわにくん ためらいのない...
たださんの本棚から図書館予約 そのカウンターで表紙にくぎ付け このわにくんナニモノ? 額に縁どられたこの絵 なんて美しくてかなしくて静かで激しいのでしょう ナイルの川岸からパリへ シャンゼリゼのお店へ そして 今はナイルの川岸で暮らす そう、それが表紙のわにくん ためらいのないわにくん でもわたしたちは考えましょう よ! ≪ わにくんの みどりの目から でるなみだ ≫
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猫丸さんとのコメントで、先に読みたくなった、「ペーター・ニクル」と「ビネッテ・シュレーダー」夫妻による、この絵本は、『スイスの最も美しい本賞(1975年)』、『ライプチヒ図書展 世界で最も美しい本賞(1977年)』を受賞したことから、シュレーダーの絵ばかりが(彼女の凄さは、この...
猫丸さんとのコメントで、先に読みたくなった、「ペーター・ニクル」と「ビネッテ・シュレーダー」夫妻による、この絵本は、『スイスの最も美しい本賞(1975年)』、『ライプチヒ図書展 世界で最も美しい本賞(1977年)』を受賞したことから、シュレーダーの絵ばかりが(彼女の凄さは、この絵本に限った事ではないが)フィーチャーされそうだが、実はニクルのストーリーにこそ、本書の確かな存在意義があって、それは表紙に描かれた、人間のように気取った「わに」のポーズのユーモラスさが、本書を読み終えた後には笑えなくなっている、痛烈な皮肉の表れであることを実感させてくれるでしょう。 昔、ナイルの川岸の砂原に寝そべっていた、一匹のわには、そこを『浮かれ気分』で散歩にやって来た二人のご婦人の片方の言葉、「まあ すてき、わにのみせに つれていきたいこと! さぞや いろいろ やくに たつでしょう」に興味を惹かれて、はるばるパリを目指して旅をすることに・・・。 訳者の矢川澄子さんのまえがきに当たるものや、ネット調べによると、エジプトのナイル川の下流にワニがいなくなったのは、アスワンハイダムが出来た事が原因らしいが、それと、町にある鞄屋のウインドーに存在するものとの繋がりは何だろうか? 何だろうかなんて聞くまでもないとは思いますが。 そう、わににとっては、事前に現れた町の只ならぬ様子に、この後に待っている悲劇を予感すべきだったのであり、それは、シャンゼリゼのカフェで、何故か人間達が死んだような様子でダランと座っている光景や、気取った足取りで冷やかし歩きをした、大通りの幻想的な─人間消失後に残された物たちと、空へと帰っていく鳥たち─光景が、まさしく嵐の前の静けさであったことを。 しかし、それには気付かず、店の中に入ってしまった、わにと出会った店員は、さぞ驚いた事だろうと思うが、それ以上に悲しみで溢れかえっていたのは、わにの方であり、その店内の商品も店員もほぼ全てが同色で統一された絵には、わにが見た、この世の絶望感を如実に表しており、その後の行動には衝撃を覚えた方もいるかもしれませんが、それも、お互いの立場が入れ替わったとしたら、どう思うのかを考えてみると、果たして、それを責める事の出来る人はいるだろうか? それに、これは、あくまでも昔話によくある寓話の現代版として辛口の表現をしているだけであり、しかも昔話との決定的な違いは、ワニを人間以外の生きているものに置き換えれば、今を生きる人間にとって耳の痛い話にもなりかねない、過去形ではなくて、現在進行形の話だということであり、それはエンディングを見ても分かるように、人間がそういうことをするならば、ワニもそれに倣えばいいといった、報復に近い惨状に、改めて、やっていることの愚かさを悟り、これを見て、「ああ、私たちは、なんて酷いことを彼等にしてしまったんだ」と思ったところで、もう彼等の命は戻ってこないのかもしれないが、それでも同じ過ちを繰り返してはいけないことや(上記のご婦人の言葉も、ワニに対する驕りが、はっきりと分かるのに、本人は全く自覚していないところに問題点が)、人間だけがこの世で暮らしている訳ではない事を、いい加減、痛感しなくてはいけないのだと思います。 せっかくなので、シュレーダーの絵についても、少しだけ書くと、彼女独特の幻想的で切ない中にもある、ユーモラスな美しさは健在で、特に、表紙のわにの実際に触れられそうな肌の生々しさや、砂塵舞うようなぼやかした風景に、汽車の金属的質感の再現の凄さは印象に残りつつも、わにの帰りの汽車の線路の下に何気に咲いていた花の存在には、彼女が贈る、わにへの慰めの言葉にも思えてしまい、こんな点に、彼女の児童作家だけではない、人間性の美しさも垣間見えて、惹かれるものがあります。
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