履歴書代わりに

吉村昭【著】

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2011/06/17
• JAN: 9784309020402

商品レビュー

2023/03/19

日本で最も好きな街は？聞かれれば、私は、ためらうことなく、長崎と答える。その理由は、甚だ漠然とした表現であるが、文化があるからと答える以外にない
江戸時代、長崎は、異国人の住む町であった。彼らは、長崎後に突き出た出島に居住していたが、その面影は弧状の石垣として残されているだけである
田野畑村は、典型的な農業と漁業の村である。新鮮な魚介類を食べることができると同時に、野菜、茸類をも口にすることができる。さらに酪農農家からは、牛乳も譲ってもらえる

2020/03/09

敬愛する吉村昭。
彼のエッセイを読めすぎて、もはや既視感しかないけど、それでもやっぱり好き。
終盤に載っていた青春〜の話は、淡々としていてそれでいて氏の死生観が表れているところが素晴らしかった。

2016/12/31

吉村昭（１９２７～２００６）著「履歴書代わりに」、２０１１．６発行です。エッセイの数々が収録されています。日本で一番好きな町はと聞かれたら「長崎」と即答したそうです。町の人の温かい人情、町の佇まい、美味な食物に魅かれてるからだと。終戦直後、上野の不忍池を埋め立てて野球場にするという案が出て、散歩両論の末、中止されたと。良かったと思います。若い頃、志賀直哉の「暗夜行路」の良さがわからなかったけど、今はその偉大さがよくわかる・・・、人間は年をとると見えてくるものがあると仰ってます。