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天災と国防 講談社学術文庫2057
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2011/06/13 |
JAN | 9784062920575 |
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商品レビュー
4.1
22件のお客様レビュー
全部で12編からなるエッセイ、小論。地球物理学者としての寺田虎彦が、科学者の視点から、天災に対して人間が常日頃から持っておくべき意識について書かれている。畑村洋太郎が解説でとてもうまく説明してくれている。太平洋戦争の前に書かれたものだが、全く色あせていない。 ■「構成要素」「マイ...
全部で12編からなるエッセイ、小論。地球物理学者としての寺田虎彦が、科学者の視点から、天災に対して人間が常日頃から持っておくべき意識について書かれている。畑村洋太郎が解説でとてもうまく説明してくれている。太平洋戦争の前に書かれたものだが、全く色あせていない。 ■「構成要素」「マイクロメカニズム」「マクロメカニズム」「全体像」 「定量化」「時間軸」 の6つが、寺田寅彦が事柄や現象を見るときの視点。 ■文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向がある ■誰の責任かを問うよりも大切なことは今後同様な災難を少なくしていくかが重要 ■「地震の現象」と「地震による災害」は区別して考えなければならない。現象の方は人間の力でどうにもならなくても、災害の方は注意次第でどんなにでも軽減されうる可能性がある。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本著も「ドストエフスキイの生活(小林秀雄著)」同様、「地震と社会〈下〉(外岡秀俊著)」に言及があったので読んだ。 ほんと、寺田寅彦の「「地震の現象」と「地震による災害」とは区別して考えなければならない。現象のほうは人間の力でどうにもならなくても「災害」のほうは注意次第でどんなんにでも軽減されうる可能性があるのである。(p 38)」のひと言は、当たり前ながらも、秀逸だ。 でも、学者が前もって警告しても被災者(一般人)は時が過ぎれば覚えてられないということを「つまり、これが人間界の「現象」なのである。(p137)」と至極ニュートラルな立場で語る。でも寅彦は悲観して終わることなく、「教育」の大切さを説く。 一方、「文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があるという事実を十分に自覚して(後略)」という寅彦の言葉、これをどれほどの現代人が心して科学技術を享受しているのか...。寅彦にしてみれば氏の憂はより確実なものになっている。透徹した見識を持つ寺田寅彦に、改めて、会えた一冊だ。
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天災にあうと人はなぜ、と理不尽な思いをするが、天災は一定のスパンで一定の確率で必ず起こるものだし、それを防ぐための科学的思考が大事なのだと思う。本書の刊行は2011年なので東日本大震災を機に改めて脚光を浴びたものと思うが、それ自体我々の忘れやすさを表しているようにも思うが、少なく...
天災にあうと人はなぜ、と理不尽な思いをするが、天災は一定のスパンで一定の確率で必ず起こるものだし、それを防ぐための科学的思考が大事なのだと思う。本書の刊行は2011年なので東日本大震災を機に改めて脚光を浴びたものと思うが、それ自体我々の忘れやすさを表しているようにも思うが、少なくとも科学的思考をもって意識することはできるのだと、そう前向きにとらえたい。
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