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縮図 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1992/09/01 |
JAN | 9784003102220 |
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商品レビュー
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8件のお客様レビュー
1941(昭和16)年、新聞に連載され中絶した秋声のほぼ最後の作品。 徳田秋声(1872-1943)はあまり文庫化されていないが、実はかなり多作な作家であったらしい。意外にも「通俗小説」も量産した時期があったそうだ。 私がこれまで読んだ秋声作品は『新世帯』(1908)、『黴...
1941(昭和16)年、新聞に連載され中絶した秋声のほぼ最後の作品。 徳田秋声(1872-1943)はあまり文庫化されていないが、実はかなり多作な作家であったらしい。意外にも「通俗小説」も量産した時期があったそうだ。 私がこれまで読んだ秋声作品は『新世帯』(1908)、『黴』(1911)、『爛』(1913)、『あらくれ』(1915)くらいで、本作『縮図』(1941)はそれらとかなり趣が異なっていて、驚いた。 淡々と季節が一方的に過ぎてゆく無情な現実を描写していった自然主義時代の作品とは異なって、本作はいきなり時制がねじくれ、飛躍し、構成=コンポジションされているのだ。 冒頭から登場する夫婦、均平・銀子の日常の描写が続く。そのなかにも、しばしばフラッシュバックのように均平や銀子の過去の道程がふり返られる。 かと思うと、途中からはひたすら銀子の人生のなりゆきが年代記的に延々とつづられ、そしてその途中でいきなり作品は中断されてしまう。 冒頭の均平・銀子の情景が「現在」だとすると、その「現在」に二度と戻れないままに、視点は永遠に過去を彷徨ったままなのだ。 コンポジションの意図が結実しそこねたような態をなしているのだが、この「永遠の未完成」感も秋声の持ち味ではあるか。 私は『あらくれ』等の秋声が日本自然主義文学の最高の芸術性を示すものと思っているが、どうやらこの作家はそれだけではない奥の深さがあるようで、もう少し読んでみたいと思う。特に私小説ふうだという短編小説も読みたいし、通俗小説だという分野の作もどんなものだか知っておきたい。 が、どうも秋声は日本文学界で必ずしも高く評価されていないのか、「新潮日本文学アルバム」にも取り上げられていないし、文庫版で短編集もないようだし、接近しづらいものがある。 古書で全集は手に入りそうだが、旧漢字旧仮名遣いだと読みにくいので、ちょっと迷ってしまう。
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全然読めてないなぁ。 私に読む力が足りていないんだろうと思う。 この時代(昭和初期)の花柳界がどんな位置付けなのかがイメージしにくい。今の風俗とは違うだろうし、ホステスやキャバ嬢とも違う気がする。 落籍すというような転向制度もあるように、もう少し、市民の生活と混じり合う部分もあ...
全然読めてないなぁ。 私に読む力が足りていないんだろうと思う。 この時代(昭和初期)の花柳界がどんな位置付けなのかがイメージしにくい。今の風俗とは違うだろうし、ホステスやキャバ嬢とも違う気がする。 落籍すというような転向制度もあるように、もう少し、市民の生活と混じり合う部分もあったように感じる。 社会の縮図を悲観もヒロイックもなく、ありのままをかいているんだろうというのはわかる。 ただ、主人公の住む世界を私が掴める事ができればもう少し味わえるのにと思う。 また読む。
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徳田秋声の絶筆となった一作。 一人の芸妓である女性の半生になるが、すごく静かに物悲しい。 斯くも繰り返しつらい出来事に襲われながらも、淡々と呑み込んで生きていく女性の逞しさと哀しさ。 ややもすると平板な感じのする作風かもしれないが、ゆっくり読むと起伏を感じさせるストーリーと文体に...
徳田秋声の絶筆となった一作。 一人の芸妓である女性の半生になるが、すごく静かに物悲しい。 斯くも繰り返しつらい出来事に襲われながらも、淡々と呑み込んで生きていく女性の逞しさと哀しさ。 ややもすると平板な感じのする作風かもしれないが、ゆっくり読むと起伏を感じさせるストーリーと文体に感じます。 なにか静謐で美しい本が読みたいな、と思ったらお勧めの一冊です。
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