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殺人にいたる病 角川文庫
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殺人にいたる病 角川文庫

アーナス・ボーデルセン(著者), 村田靖子(著者)

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殺人にいたる病 角川文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川グループパブリッシング
発売年月日 1981/12/01
JAN 9784042542025

殺人にいたる病

¥220

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2016/12/07

近年、日本でも北欧ミステリが人気を博しているようですが、 その波が来るずっと前、 1980年代初めに英語版からの重訳で出ていた本。 カバー背表紙タイトルの上にはご丁寧に[推理小説]の文字。 ……ううううむ(笑)。 語り手の作家「ぼく」は南国の浜辺で新作に取り掛かっている。 デン...

近年、日本でも北欧ミステリが人気を博しているようですが、 その波が来るずっと前、 1980年代初めに英語版からの重訳で出ていた本。 カバー背表紙タイトルの上にはご丁寧に[推理小説]の文字。 ……ううううむ(笑)。 語り手の作家「ぼく」は南国の浜辺で新作に取り掛かっている。 デンマーク文学において伝統的な手法とされる日記体で。 彼は冬のデンマークで文壇№2の地位にある推理小説家が 殺人を計画する話を書こうとして、考えを巡らす。 ところが、地の文において、 単に段落が進むだけで明確な切れ目・境目もなく 「ぼく」の動作・思考と、 小説の主人公のそれとが絡み合うように綴られていくので、 とてもグニャグニャして読みにくい……が、 物書きの創作上の思考の流れを漏らさず書き留めていると思えば そのように受け取れる、けれども、 ちょっと勘のいい人は、すぐピンと来るはず。 そう、つまり、これは、そういう類いの小説です、ウフフ。 「ぼく」は恐らく不眠症で、 様々な薬とアルコールを流し込んで、度々朦朧とするので、 信頼できない語り手スタイルの小説とも言えます。 そして「ぼく」はどうやらヨーロッパ人男性としては 比較的華奢な体格で、性格も内向的というか内省的で、 そうした点に劣等感を抱いているらしいことが 徐々にわかって来ます。 異性愛者だけど、いざとなると上手く行かなくてヘコんでは 相手の女性に「まあまあ」と慰められ、 そのことで更にプライドを傷つけられてしまう「ぼく」は、 目の上の瘤にも等しい、自分より売れている№1作家に、 本当は憧れていたのかもしれないし、 何らかの形で彼を超えなければならないという 強迫観念に囚われていたのだろう。 だとすると、これはエディプス・コンプレックス物語でもある。

Posted by ブクログ

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