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私家版 差別語辞典 新潮選書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2011/05/25 |
JAN | 9784106036798 |
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私家版 差別語辞典
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被差別部落の出自を持つ著者は「二本の路地を旅する」で幾多の賞を取り、西村賢太からも絶賛されている、 どんな無頼漢かと想像していたが、まっとうなルポ、まっとうな主張だ。文章はそこまでうまくない。 ただしルポの場合は、その拙さが逆に現場感を生み出している。本書は、差別語を著者の個人的...
被差別部落の出自を持つ著者は「二本の路地を旅する」で幾多の賞を取り、西村賢太からも絶賛されている、 どんな無頼漢かと想像していたが、まっとうなルポ、まっとうな主張だ。文章はそこまでうまくない。 ただしルポの場合は、その拙さが逆に現場感を生み出している。本書は、差別語を著者の個人的体験や取材に基づき解説し、批評していく。 1)差別するのは言葉ではなく、人である。 2)汚いものに蓋をすれば、それは内向し鬱屈していく。 3)歴史的、慣習的な語句は残すべき 4)言葉は歴史であり、文化である これが根本的な彼の考えで、言葉としてすでに差別的なものは消えていくべきだが、言葉は歴史を背負っており、つまらぬ人権意識で葬れば、本来言葉が持っていたまっとうな意味や知恵は失われていく。 「一度失った言葉を取り戻すのは容易ではない」と上原は語る。 逆に言えば、こうした禁句は禁句だからこそ実に生々しく、本来の姿から遠く離れた化物になってしまったのだろう。 ネット言論が飛び交うようになったため、言葉を言葉として使うのはますます難しくなる。 (著者はネットに疎いらしく「チョンは最近はめったに使われることはない」などと書いている。リサーチ不足ではあるが、ルポライターらしいネット下手が逆に信頼できる) 一方で、本来の意味で使用するケース自体が少なくなっている。エタヒニンももはやほとんど存在しないのだ。 だから、結果的に差別用語は消えていかねばならないだろう。ともかく、やはり被差別民がこうしたことを淡々と書いたことは意義深い。 知識として。 穢多と非人は仲が悪かった。非人は足を洗えば一般人に戻れる。江戸時代、乞食は諜報活動も担っていた。 幕末の内戦には身分を上げてやると言われて参加した被差別民が多かった。バカチョンのチョンは「一人前以下」の意である。 死体や興行が被差別と絡むのはよく分かるが、なぜ竹細工や石切までもがエタなのだろうか。 それは士農工商の工ではないのだろうか。
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「同和」が「同胞融和」または「同胞一和」を略したものだってことすら知らなかった私としては、知らなかったことがたくさん載っている本でした。江戸時代の乞食が諜報活動をしていたとか。
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差別用語とされる言葉と、その歴史的背景を紹介したもの。 言葉狩りの問題にはとても興味があります。自分の親世代の人が普通に使ってる言葉が差別用語に認定されてたりして驚きました。 筆者が作品中で何度も主張している通り、差別する意図をもって使えば言葉は差別語になるし、何でもかんでも規制...
差別用語とされる言葉と、その歴史的背景を紹介したもの。 言葉狩りの問題にはとても興味があります。自分の親世代の人が普通に使ってる言葉が差別用語に認定されてたりして驚きました。 筆者が作品中で何度も主張している通り、差別する意図をもって使えば言葉は差別語になるし、何でもかんでも規制すればいいというものではないと思う。明らかに差別的な言葉は規制されて当然だと思うけど、行き過ぎた自主規制には言い知れぬ不気味さを感じる。とはいえ、テレビや雑誌では発信側が「差別的な意図はなかった」と言っても受け取る側が不快に思ったらもうそれは差別語になってしまうんだろうなぁ。そう考えると、余計なトラブルにならないように過剰に自主規制してしまう気持ちも分かる。難しい問題だ。ただ、過去出版された作品が規制されたり改変されるのは悲しいことだと思う。
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