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西洋美術史を解体する 水声文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 水声社 |
発売年月日 | 2011/05/23 |
JAN | 9784891768287 |
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西洋美術史を解体する
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本書は、西洋美術史(実質的に現在の美術史)を網羅的に、要約(140ページほど)してくれる。 他の多くの「美術史」と違う特徴として、個別作品や作家をあまり追わず、人類史、文化史、経済史(+若干の哲学史)をベースに説明されている。 保守的な古典派に対抗するためロマン派のドラクロワは...
本書は、西洋美術史(実質的に現在の美術史)を網羅的に、要約(140ページほど)してくれる。 他の多くの「美術史」と違う特徴として、個別作品や作家をあまり追わず、人類史、文化史、経済史(+若干の哲学史)をベースに説明されている。 保守的な古典派に対抗するためロマン派のドラクロワは自らを用語する批評を書き出す。これが美術批評の始まり。ドラクロワは従来型の批評と差別化を謀るため音楽用語を取り入れた。「色のリズム」「色のハーモニー」「コンポジション(作曲という意味)」85 1851年のロンドン万博から1920年のバウハウス結成の70年間で、装飾性と美術性の分離、闘争が始まり、「ボザール(美しい技術)」が工芸、デザイン、純粋美術(ハイアート)の選別を行った。これが現代の純粋美術が頂点で、デザイン・工芸は劣るものというヒエラルキーになる96 アメリカの自由主義、民主主義の象徴だったアメリカ抽象表現(国家的権威により推奨されてきた)は、1960年ころからベトナム反戦、公民権運動、ウーマンリブなどの若者ムーブメントにさらされた。時代に敏感な若手アーティストは人種、女性、人権、平等を作品や作家活動に取り入れた(フルクサス運動)。既存の価値観の破壊、市場経済への反対、対抗文化的活動のコンテンポラリーアートの起源119 印象派からアメリカ抽象表現主義までの100年に渡る「モダンアートの歴史」は↑の登場で1970年代に終わる120 クリストは「プロジェクト」という概念を美術に取り入れた。プロジェクトを実行する上でのさまざまな交渉、手続き、資金集め、法律的問題の解決、協働活動等々のすべてが「美術活動」であると主張した。かつて限りなく個人主義化していたモダンアートが切り捨てた、他者、共同体をむすぶ物語の共有、連帯を美術に取り戻した。128 ゴッホの悲惨物語は、ギリシャのホメロスの詞や、シェイクスピアの現代版のように民衆から支持された。混乱する現代社会を生きる市井の人々が、存在認証とスーパースターへの投影をした。133 現在、かつてのモダンアートの中心だった「アートの自律」という自閉的なスローガンは、社会、他者との協働で作りあげる、オープンなスタイル、「価値の美術」に変化、要求されている。139
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