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私たちはこうして「原発大国」を選んだ 「核」論 中公新書ラクレ
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私たちはこうして「原発大国」を選んだ 「核」論 中公新書ラクレ

武田徹【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2011/05/09
JAN 9784121503879

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商品レビュー

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2018/11/05

ボクは原発問題を核兵器の問題と絡めて論じることには懐疑的である。例えば「唯一の被爆国」であることが、日本の原子力政策に影響を与えるべきことなのか?しかし、もし多くの人がそこに通底するものを見ているならば、その考え方を知るのもムダではないだろう。 増補版として、2011年論が新た...

ボクは原発問題を核兵器の問題と絡めて論じることには懐疑的である。例えば「唯一の被爆国」であることが、日本の原子力政策に影響を与えるべきことなのか?しかし、もし多くの人がそこに通底するものを見ているならば、その考え方を知るのもムダではないだろう。 増補版として、2011年論が新たに加わった。ハンタイ派v.s.スイシン派の不毛な対立が、かえってリスクを増大させていることには全くもって同感。ただ、本書の内容から離れるが、、、この手の収拾不能な二項対立はよく見られる現象。そこで仮説 ⇒ヒトの認知的基盤、または社会構造の中には、論点を単純化して二項対立する傾向がビルトインされている。従来、だらだら考えていないで不確実な状況下で行動を起こせるという観点で、こうした議論の単純化が適応的だった。マスメディアの発達、民主制の発展、科学技術の進歩に伴う(?)不確実性の増大が、従来は適応的だった反応を危ういものにしている。 原子力のような先端技術は不確実性が高く、事故時のインパクトの大きさもあいまって、情報不足を無視して推論するほかない。イデオロギーがぶつかり合うことになる。 電源三法についての指摘は重要。原発がある限り過疎でなければならないし、労働力を原発に吸い取られて他の産業は育たない。原発による地域振興は、痛々しい幻だ。 高木仁三郎。チェルノブイリを受けて、事故確率の計算に潜む落とし穴を分析している。重畳型、共倒れ型、将棋倒し型。福島第1は共倒れ型か。しかし高木は「運動」に傾斜して、科学に立脚した安全策の検討から離れてしまう。 著者は、JCO臨界事故の背後にも原子力への逆風を見て取る(少しこじつけ気味ではあるが)。 核兵器開発につながるから原発に反対するというのは多少無理がある議論と思う。製鉄もやめれば銃も刃物も含めて根絶できるが。。。ただし核拡散との絡みは無視できないので、一筋縄ではいかない。

Posted by ブクログ

2016/02/04

アメリカは、1955年に濃縮ウランを提供し、将来の発電用原子炉についても援助することを打診してきた。当時、濃縮工場の建設するには莫大な予算が必要で、米ソ以外には難しかった。濃縮ウランを提供することによって、軽水炉技術の提供も可能になり、発電という国家の生命線を掌握できる。濃縮ウラ...

アメリカは、1955年に濃縮ウランを提供し、将来の発電用原子炉についても援助することを打診してきた。当時、濃縮工場の建設するには莫大な予算が必要で、米ソ以外には難しかった。濃縮ウランを提供することによって、軽水炉技術の提供も可能になり、発電という国家の生命線を掌握できる。濃縮ウランは貸与の形で提供されるため、兵器への転用も抑え込めるというシナリオだった。

Posted by ブクログ

2013/07/30

はっきり言って、この人の本は、とても読みにくい。文体としても、内容としても。 著者は、原発スイシン派でもなく、ハンタイ派でもない。そのどちらに対しても「非共感的」に感じている、と著す。 スイシン派の引くに引けない状況。 反対派の過剰なまでの拒否反応。 その折衷案を模索して震...

はっきり言って、この人の本は、とても読みにくい。文体としても、内容としても。 著者は、原発スイシン派でもなく、ハンタイ派でもない。そのどちらに対しても「非共感的」に感じている、と著す。 スイシン派の引くに引けない状況。 反対派の過剰なまでの拒否反応。 その折衷案を模索して震災から2年が経とうとする。 その折衷案を考えるときに、まず読まれるべき本だと思った。 エネルギー源として原発は必要不可欠であるという推進派。 彼らの隠蔽体質は目に余るものがある。 しかし、当初「原発は完全になくすべきだ」として、頭ごなしに反対していた反対派も、思考停止状態といえるのではないか? 原発は危険だ!と訴えすぎることによる弊害もある。就労職員の核に関する知識の低下。労働のモチベーションの低下。スイシン派の隠蔽体質を作り上げもした。 危険なものでも、突然姿を消してくれるわけではない。 平和的に終息するために、議論がなされるべきだ。 それなのに、国家は、なし崩し的にスイシンへと向かおうとしている。 反対の「やり方」が、問われるときだ。 まず、原発を知ること。核を知ること。民主主義を知ること。アメリカを知ること。冷戦を知ること。倫理を知ること。学問を知ること。未来を模索すること。 原発は、本当に、複雑な要素が絡み合った問題だ。 それをほどいてくれるわけではないが、その手助けになる本かもしれない。

Posted by ブクログ

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