ボブ・ディランの転向は、なぜ事件だったのか

太田睦【著】

• 販売会社／発売会社: 論創社
• 発売年月日: 2011/05/02
• JAN: 9784846009281

商品レビュー

2017/01/05

ボブ・ディランがノーベル文学賞を取ったのには驚いたが、この本では昔からボブがノーベル文学賞の候補に挙がっていると書かれている。この本は2011年5月に発刊されているから５年以上前から話題になっていたのだ。しかも、社会正義のために活躍した人物に授与しているトム・ペイン賞の授賞式でスキャンダルをも起こしている。今回のノーベル賞授賞式の騒動もこの延長線上にあるような気がした。ボビを神聖化している人にはがっかりな本だろうが、彼が天才であったことには変わりがない。

2011/07/08

久しぶりに寄ったお店で、久しぶりの友人にばったり。知り合いの本の発売記念のイベントがあった、というので見せてもらった、それがこの本との出会い。
ディランについて語った本は、星の数ほどあるけれど、この本はちょっと違う。ひとくちに言えば、「転向」といわれる、ニューポートのあの日、一体、周囲はどんな状況だったのか？ということを、時代背景や、周辺の人々の生い立ちを探ることで考察する、という内容。ディランについて、というよりも、その周辺の社会や音楽状況を解説、検証しているといえる1冊。
ピート・シーガーやウディ・ガスリーについてはもちろん、レッドベリーを発掘したアラン･ローマックスについても、比較的詳細に書かれておりとても参考になった。上品な大学の講義を聞いているような、丁寧な語り口。