武田信玄と毛利元就 思いがけない巨大な勢力圏 日本史リブレット人043

鴨川達夫【著】

• 販売会社／発売会社: 山川出版社
• 発売年月日: 2011/05/02
• JAN: 9784634548435

商品レビュー

2011/10/03

戦国大名として名高い２名の研究本。
今までの「定説」に対する発見や訂正が主な内容。簡単に定説のおさらいはしていますが、やはり事前に知っているほうがより楽しめます。言われてみると、なるほどと思ってしまいました。
「毎事昨日申し候の条、一筆申し候」（ｐ22）などの記録や書簡の解釈や、歴史の「偽造」説に対する反論、巨大な勢力圏となった理由など、気軽に読める量の割にはなかなか面白かったです。
それにしたって元就公。１０ｍの起請文はやっぱり長いと思うのですよ。

2011/08/01

本書を読むと、信玄・元就のイメージは大きく変わる。これまで研究が尽くされて来た両雄であるが、著者は「研究の材料である史料を適切に読み込んだ時に、発見や訂正の余地が意外と広い」と言う。

本書の中でもいくつか、史料の読み方、解釈について疑問を呈している。 かつては、多くの戦国武将は天下統一を目指したという見方が強かった。また、領土の拡大を図っていたと言われていた。

本書では、必ずしも領地の拡大に野心があった訳ではなく、防衛上、やむを得ず戦い、結果的に領地が増えたという見方を提示していて面白い。