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魚附林の地球環境学 親潮・オホーツク海を育むアムール川 地球研叢書
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魚附林の地球環境学 親潮・オホーツク海を育むアムール川 地球研叢書

白岩孝行【著】

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魚附林の地球環境学 親潮・オホーツク海を育むアムール川 地球研叢書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 昭和堂
発売年月日 2011/03/01
JAN 9784812211182

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2018/11/05

地球研が中心となった構想3年・実行5年の学際プロジェクト記録。アムール川→オホーツク海→北太平洋(親潮域)における鉄を介したつながりが、調査研究の結果、明らかになってきた。研究プロジェクトは2009年に終わったが、得られた知見とネットワークが前途多難ではあるものの環境保全の活動に...

地球研が中心となった構想3年・実行5年の学際プロジェクト記録。アムール川→オホーツク海→北太平洋(親潮域)における鉄を介したつながりが、調査研究の結果、明らかになってきた。研究プロジェクトは2009年に終わったが、得られた知見とネットワークが前途多難ではあるものの環境保全の活動につながっている。 <生命活動のボトルネックとしての鉄> 世界の海には、栄養塩が余っているにもかかわらず植物プランクトンが少ない海域があることが知れれている(高栄養塩・低クロロフィル:HNLC海域)。この原因は、プランクトンが窒素系イオンを還元して取り込むのに使う、鉄分不足と考えられている。実際、鉄をばら撒くとプランクトンが増えると言う実験もある。 一方、オホーツク海や親潮域は、世界でももっともプランクトン、ひいては水産資源の豊富な海だ。 <鉄の移動メカニズム・・・中層水鉄仮説> ・アムール川流域の湿地帯(&森林)で、二価鉄・三価鉄・腐植鉄錯体(フルボ酸鉄)が水に溶け出す。これは、湿地帯は地下水位が高くて還元的な環境であるために、鉄が酸化されにくいことによる。鉄は酸化されると水に溶けずに沈んでしまう。 ・湿地帯の水はアムール川へ移動して下流へ向かう。アムール川は溶存鉄の濃度が桁違いに高い。 ・一万立米/secの水がアムール川からオホーツク海との汽水域へ流れ込む。溶存鉄は海水中の陽イオンと反応して9割が沈殿してしまう。汽水域は天然フィルターの役割を果たしている。 ・残った1割の溶存鉄がオホーツク海に表層を流れて行き渡る。オホーツク海はこれで十分みたい。 ・一方、オホーツク海北西部沿岸では、シベリアからの寒風を受けて季節海氷が作られ、反時計回りの海流に乗って北海道沿岸までやってくる。 ・海水が凍る時に含まれていた塩は氷結晶中から排出され、ブラインと呼ばれる高濃度・低温の塩水になって下方に沈み込む。 ・ブラインは大陸棚でアムール川汽水域で沈んだ鉄を含む縣濁物質を巻き込んで、海流に乗って千島列島の海峡へ流れ込む。 ・狭い海峡を通る時の潮汐作用で、鉄を含んだ水層が表層まで沸きあがる。これで親潮域に鉄が供給される。 大気中の黄砂から補給される鉄分の影響もある(従来はこちらが主と考えられていた)。プロジェクトではアムール川ルートが主としたが、どっちがどれだけかはまだ今後の研究によるようだ。 <日本の経験知、魚附林> 「うおつきりん」と読む。江戸時代から、沿岸の森林が大事なことは知られていたというから経験知をなめてはいけない。襟裳は、明治時代に過伐採、過放牧で土壌流失し、ついで昆布をはじめ沿岸漁業もダメになった。昭和以後の植林で回復。 魚附林には飛砂防止、直射日光遮蔽、栄養塩・有機物供給の機能があると考えられる。アムール川の汽水域を超えた鉄分供給のメカニズムは、それとスケール的にも質的にも異なるので、巨大魚附林と呼びたい。 <環境問題は国境をまたがる> そのことが環境問題への取り組みを難しくする。特にアムール川流域は中露が風上側でやりにくい。日本がどれだけ言えるかも難しいところがある。 しかし、逆に環境問題の存在が、いがみあう人々を同じテーブルに着かせるきっかけとなる可能性もある。バルト海でのヘルシンキ条約など。著者らは、国際法学者も巻き込んで、その方向性を強く希望している。 畠山重篤さんの講演を聞いて、このテーマに興味を抱いた。本書はプロジェクトリーダー自ら書いているので、「思い」が感じられてイイ。国際プロジェクトの苦労を語っているところも面白い。

Posted by ブクログ

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