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パンダ

プラープダー・ユン(著者), 宇戸清治(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 鍬谷書店
発売年月日 2011/03/01
JAN 9784904575123

パンダ

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2024/02/03

 27歳でエロ映画会社でシナリオを書く主人公「パンダ」(太っていて寝不足で目の下にクマがあるからこういうあだ名で呼ばれる)が、額に出来ている突起物を触ってたら、実はその突起物は彼自身が本来生まれるべき星との通信機器(?)で、自分は地球人ではない、と悟った、といことから始まる物語。...

 27歳でエロ映画会社でシナリオを書く主人公「パンダ」(太っていて寝不足で目の下にクマがあるからこういうあだ名で呼ばれる)が、額に出来ている突起物を触ってたら、実はその突起物は彼自身が本来生まれるべき星との通信機器(?)で、自分は地球人ではない、と悟った、といことから始まる物語。そこから、地球に住む他の人間も実は地球人ではなく、自らが所属すべき他の星があることを、出来るだけ多くの人に伝えつつ、そして自らも「パンダ・プラネット」に還る、という話。  たぶん自分で読んだ、初めての東南アジアの小説。自分で読んだ、というか読まされた東南アジア文学、というのもこれまでなかった気がするが、大修館の「英語教育」という雑誌で、「世界を広げる アジア文学への招待」という連載記事があり、2024年1月号は、この『パンダ』という本だった。ので読んでみた。  なんとなくシニカルな感じがずっとあり、全ては最後に明治学院大の先生による「解説」を読むと分かることなんだけど、タイの社会の風刺や批判、そしてそういう批判をする自分もその批判の対象、という感じがあるせいだ、というのが分かった。デブでエロ会社で意味のないシナリオをただ書くことを仕事にするという設定、そもそもパンダという名前が、全部シニカル。「このあたりは一九七〇年代の日本におけるパンダ・ブームの影に、中国の共産党政権の戦略があったことを思い出させる」(p.308)という解説が面白かった。  あとは全然関係ないことだけど、「ボクは、長年の夢を現実にしたかったという社長のその意志の強さを少しは尊敬する。たいていの場合、一人の人間の夢は、その美しさをとどめたまま永久に夢で終わる。なぜなら、それは最初から現実化する必然性を欠いているからだ。そうだ、決して現実化することのない夢。」(p.258)という部分は、少し考える。夢と現実を二項対立で考える限りは、こうなってしまうのだろうなあと思った。  紹介されないとなかなか読むこともない本だったので良かった。なんかカフカの『変身』みたいな感じかなあ。不条理という感じではないにせよ、なんか自分と自分以外が急に分け隔てられて、自分について内省を深める感じ?が似ている気がした。(24/02/03)

Posted by ブクログ

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