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子規、最後の八年
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2011/04/04 |
JAN | 9784062167079 |
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子規、最後の八年
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商品レビュー
4.3
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正岡子規は、明治35(1902)年9月19日に亡くなっている。子規の生年は、慶応3(1867)年10月14日なので、満34歳と11カ月余りという若さで亡くなったのだ。 子規は明治28年に、新聞記者として日清戦争に従軍した帰路、船上で喀血している。結核であった。当時の結核とそれに伴...
正岡子規は、明治35(1902)年9月19日に亡くなっている。子規の生年は、慶応3(1867)年10月14日なので、満34歳と11カ月余りという若さで亡くなったのだ。 子規は明治28年に、新聞記者として日清戦争に従軍した帰路、船上で喀血している。結核であった。当時の結核とそれに伴う喀血は、ほぼ死を意味するに近かった。以降、正岡子規は完全な健康を取り戻すことはなく、最後の数年はほぼ寝たきりの状態で過ごすこととなった。 本書「子規、最後の八年」は、正岡子規が病を得た明治28年から亡くなる明治35年までの8年間の正岡子規の伝記だ。非常に丁寧な事実確認を基にしている一方で、物語的な語り方をしている部分もある。伝記であり、ノンフィクションであり、ある部分は小説でもある。 関川夏央は、コミックの原作を含めて多くの文人を題材にした著作を書いているが、私は、正岡子規を扱った本書が一番面白いと感じた。 正岡子規が登場する読み物としては、司馬遼太郎の「坂の上の雲」が思い浮かぶ。司馬遼太郎も、関川夏央も、正岡子規を肯定的に書いているところは同じであるが、「坂の上の雲」が正岡子規を書くためにつくられた物語ではないのに対して、本書は、上記の通り、まさに正岡子規を記録するために、書かれたものである。 関川夏央が、正岡子規を肯定的に評価している点は2点あるように読めた。一つは、夏目漱石等とともに、日本の散文の表現・文体の基盤を(巧まずして、と関川夏央は書きたかったようだ)作り上げたこと。もう一つは、多くの文芸家が正岡子規を中心に集まり、子規の死後も、日本の文学史に名を遺すような仕事をした人が多かったこと。正岡子規が「育てた」というわけではない。正岡子規のもとに集まった人たちが、何らかの刺激を子規、あるいは、他に集い来た人から受けたということ、「場」を(これも意図的ではなく、自然に)つくったことだ。 本書には、多くの登場人物が描かれる。高浜虚子、夏目漱石、子規の妹の正岡律、長塚節等が印象に残る。他にも樋口一葉などの、今の名を残す当時の文芸家が数多く、登場する。当時の時代の一面を描いた物語としても読める。
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難しかった。読むのに時間がかかった。 でも、終始、傍らに佇み、子規さんたちと共に居るような感覚になった。
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正岡子規が亡くなるまでの8年間を丹念に追った年代記。 最後の臨終に場面は、まるでその場に居合わせたかのような真に迫った記述が胸を打つ。
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