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パワー(上) 西のはての年代記 Ⅲ 河出文庫
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パワー(上) 西のはての年代記 Ⅲ 河出文庫

アーシュラ・K.ル=グウィン【著】, 谷垣暁美【訳】

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パワー(上) 西のはての年代記 Ⅲ 河出文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2011/04/06
JAN 9784309463544

パワー(上)

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商品レビュー

4.3

6件のお客様レビュー

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2022/12/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この物語には、アーシュラ・K・ル=グウィンの頭のなかには、わたしたちが自分が属すると思っている以上の集合体の声が、流れているにちがいない。 わたしは、大きな絶望感と空虚感の最中に、ほぼ偶然これを手に取って読んだ。グウィンは、むろんその腕を最大限伸ばして知識を得ただろうが、それのみに留まらず、実際に起こったであろう(グウィン自身には起きていないだろうが)ことをしずかに聞いたのだと思う。「奴隷」という人びとの受ける扱い、かれら自身が思い込むことで耐える拠り所……わたしとておおよそは本で伺い知った(そうでないところも、いちおうあるが)その考え方の構造のようなもの、そして残酷さを、ゆっくり誠実に、内なる声を聴きながら描き出している。このことはわたしに勇気をくれた。もう少しだけ、グウィンその人が別著で語ったように、「才能に人生を懸けて」みようと思う。むろん、「声」に耳を傾けながら。

Posted by ブクログ

2013/09/06

上巻だけでは何とも言えない。ただ前2作と比べて、奴隷制というさらに難しいテーマをどう料理していくのか興味深く思う。それにしても善悪を完全に二分せず、残酷さも、幸福感も描ける手腕はさすが。

Posted by ブクログ

2013/02/01

西のはての年代記Ⅲの上巻~ガヴは西のはての都市国家群のひとつであるエトラのアルカ家の少年奴隷だが,幸せなことに姉がいて面倒を見てくれエヴェラ先生から目を掛けられ次の教師としての教育を受けている。そして,これから起こることを思い出す特別な力がある。思い出したのは,緑の幟を立てた兵士...

西のはての年代記Ⅲの上巻~ガヴは西のはての都市国家群のひとつであるエトラのアルカ家の少年奴隷だが,幸せなことに姉がいて面倒を見てくれエヴェラ先生から目を掛けられ次の教師としての教育を受けている。そして,これから起こることを思い出す特別な力がある。思い出したのは,緑の幟を立てた兵士がエトラの町を荒らして回っている様子だった。2歳年長の主人の次男トームと同じ日に生まれた奴隷のホビーは戦争ごっこで苛めに来る。ホビーの目の上を木の剣で傷つけた後は奴隷達によって井戸に逆さ吊りにされ殺され掛けた。トームは奴隷に武器を持たせたことと幼い奴隷の男の子を叩いて殺したことにより夏の農村でのバカンスに同行を許されず,ホビーも男奴隷のバラックに移って力仕事を担うことになる。長男のヤヴェンは優しい陽気な人柄で20歳の士官となると慈愛に溢れる女主人により姉のサロを与えられ,姉も幸せだ。南の都市と抗争が起き,北のカシカーが城壁に迫り,市には独裁官が置かれ,食糧は配給になり,悲壮感が増していく中で,奴隷はバラックに閉じこめられるか,公益の為に使役される。ガヴは城壁防備のための石班に配属され,班長になっていたホビーに執拗に苛められる。姉はヤヴンの子を産んだが月足らずと栄養不足で1時間後には亡くなり,ガヴは知識を頼りにされて書物を父祖廟地下に移動させる任を与えられる。他の館の者から自由に関する詩を教えられ感銘を受ける。南に展開していた連隊が漸く引き上げて市内からの攻撃でカシカー軍を撃退し,姉とヤヴンの幸福な時間が訪れたのも束の間,ヤヴェンが軍務で町を後にした隙をついて,トームとホビーは姉ともう一人の乙女を他の館の別荘に無理矢理連れて行き,姉はプールで溺れて殺された。姉の埋葬後,墓地に留まったカヴは茫然自失となって町に帰らず,荒れ野に赴いた。野人クーガと一夏を過ごし,冬はブリギン一統と,春には森の心臓・バーナの所へ移動し,知識を愛されてカヴは新しい国造りの相談相手として遇される~ル=グウィンと云えばゲド戦記。暗いお話だったが,彼がカリフォルニア生まれ,私の親と同世代だとは知らなかった。西のはての年代記は「ギフト」「ヴォイス」とこの「パワー」。ギリシアやローマの奴隷制がヒントだな。それよりも細かい描写なのは,どうしたら奴隷制を維持できるか,安定させられるかを作者が考えた末だろう。例えば,生まれた子はすぐに交換に出され,母と子の絆を断つとか。絹の囲いに門番を立てるとか。さあ,下巻に取りかかろう

Posted by ブクログ

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