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愛することからはじめよう 小林提樹と島田療育園の歩み
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 大月書店 |
発売年月日 | 2011/04/07 |
JAN | 9784272360680 |
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愛することからはじめよう
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重症心身障害者のための民間施設「島田療育園」の設立に尽力した小林提樹。 これだけ子どもたちとその親に寄り添い、目線に立って、熱い想いをもって仕事をした人間に尊敬の念を持たずにはいられない。 学生時、結核を患い命を取り留めた経験や結婚後に生まれた子どもを生後すぐに亡くした経験か...
重症心身障害者のための民間施設「島田療育園」の設立に尽力した小林提樹。 これだけ子どもたちとその親に寄り添い、目線に立って、熱い想いをもって仕事をした人間に尊敬の念を持たずにはいられない。 学生時、結核を患い命を取り留めた経験や結婚後に生まれた子どもを生後すぐに亡くした経験から、小児科医として障害児との関わりを深めた。 戦後、日赤産院で働き始めた小林は、捨て子が増える中、産院に子どもを集め育て始める。食料確保が困難だった経験から、以下のことを学んだ。 「子どもを育てるのには、まず育てるものの方が空腹であってはならない。子どもを育てるのはもちろんであるが、裏方である職員の生活が十分保障されなければならない。一方の犠牲の上に成り立つ体制は、長くは続かないのである」 また月に2回、当事者たちが集まり、当事者間のつながりや障害児(者)理解を促す「両親の集い」を始める。「両親の集い」の中に書かれていた文章には以下のようにある。 「人は言うかもしれない。動作を見ていると「ハガユイ」と、そうかもしれないが、子供にしてみれば、精一杯に動いているのです。また、この子供ら程自分の力を、能力を、充分表現できる子供も少ないのではないだろうか。自分の思っていることがとりもなおさず行動に表現されるのです。だからこの子供らはそれぞれの体質に応じて、あるがままに育てることが必要なのです。(略)子供の中から、できそうなことを引き出すようにしてやる(略)子供よりも低い所にいて、子供に教えられて糧にするのです。子どもから受ける愛、これを感じるだけでなく、応ぜられる人がどれだけいるだろうか。」 その後は日赤産院の小児科部長を辞め、島田療育園設立のために各関係者に陳情と請願を精力的に行った。 資金、人材が慢性的に不足する中で困難の連続ではあったが、その都度様々な協力者の支えもあり島田療育園を設立、運営をしていく。そうして重症心身障害児のことが少しずつ知られるようになっていった。 TBSラジオ局が特集密着取材を行うが、その中での厚生省、児童局長の談より。 「口を閉じることも自由です。目を開けることも自由です。この幼く、新しい人間の、新しい道を切り開く鍵は、私たち人間の手に、しかも自由に与えられているのです。人間が人間である限り、私たちはこの新しい命をあたたかく、じっと見つめなければならない。」 昭和40年代から療育園職員が中心となり子供たちの作品展を行う。その作品集の中で小林はメッセージを寄せる。 「この不運な星の下に生まれた子どもたちにも、わずかではあるが要求があり、風にそよぐ木の葉にも似た感情もあり、ほのかではあれ、意志も認められる。その心の微動は、(略)やっと読み取れる顔のかげりであったり、一本の指の瞬間の動きであったり…。それを捉えることができるのは、私たちの目や耳や手の感覚でなく、私たちの心である。愛情である。」 その後は療育園に組合運動がおこる中で園長を辞任、以後名誉院長として療育園、慶応病院、日赤産院のカルテの整理をライフワークとして続けながら、昭和50年、重症心身障害研究会(現、日本、重症心身障害学会)を設立し、子どもたちとともに生きたい、子どもたちのことを伝えたいと活動する。 小林提樹の座右の銘 「この子は私である。あの子も私である。どんなに障害は重くとも、みんな、その福祉を堅く守ってあげなければと、深く心に誓う」
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