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中国、インドなしでもびくともしない日本経済 新興国市場の虚構を暴く
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | PHP研究所 |
発売年月日 | 2011/03/24 |
JAN | 9784569796505 |
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中国、インドなしでもびくともしない日本経済
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商品レビュー
3.3
3件のお客様レビュー
読み物として、面白い。 ただ、論拠がいきなり飛躍するところがあり、信憑性が判断しずらい。著者の希望的観測も多い気がします。
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150年ほど前は中国とインドで全世界のGDP(GNP)の半分以上を占めていた時代があったと聞きますが、これから30年もすれば同じような状況になると聞いたことがあります。全世界の人々の生活レベルが上がってくると、最終的には人口の多寡が経済規模に大きな影響を示すということなのでしょう...
150年ほど前は中国とインドで全世界のGDP(GNP)の半分以上を占めていた時代があったと聞きますが、これから30年もすれば同じような状況になると聞いたことがあります。全世界の人々の生活レベルが上がってくると、最終的には人口の多寡が経済規模に大きな影響を示すということなのでしょうか。 アメリカの経済回復が不透明な中、これからの日本経済の発展は中国やインドの経済発展にかかっていると、なんとなく思っていたのですが、「鉄道文明を大切にした日本は栄える」というう考えをお持ちの増田氏のこの本のタイトルは興味が惹かれるものでした。 以下は気になったポイントです。 ・Brics諸国はたった一国の例外もなく、公平なルールのもとでの競争ではなく、ずる賢く立ち回って特権的なグループにもぐりこんだ人間の勝ちという社会である(p2) ・中国の鉄鋼生産が減産となった理由として、組合司令部の承認もない山猫ストが起きているか、中間財製造業者が破たんしているかが考えられるが、現状では後者が実情に近い(p15) ・輸出統計は相手国側の通関統計があるのでウソは不可能、外国人報道関係者がいる大都市も無理だが、外国人がめったに行かない中小都市や農村部なら、ウソが可能、中国では、都市部よりはるかに大きな農村部の消費ブームが起きているというデータが独り歩きしている(p18) ・中国は、地方の村とか部落に行けばミニ軍閥が割拠しているという構図は昔と全く変わらない、中国共産党・人民解放軍はそれをひっくり返す力はなかった(p22) ・BYDが客寄せパンダ的に作っている電気自動車は実用には程遠いスペック、現在の稼ぎ頭は、F3というトヨタカローラの3分の1の値段、外見はカローラそっくり、ロゴマークをトヨタ車と同じにするオプションあり(p27) ・インドは盗電がひどく(都会でも3割程度)、世界中の最貧国と比べても非常に電力供給網でカバーされた人口比率の低い国になっている、人口7割が農業に従事しているが、電力供給はほとんどない(p33) ・インドでIT産業が隆盛を極めている理由のひとつは、ITには「カースト外し」や「カースト飛ばし」の機能があるから(p35) ・大英帝国の植民地だった国々を2グループに分けられる、アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドは、民族浄化が行われて先進国になっている、インドとエジプトは民族浄化が行われなかったので経済発展が遅れている(p40) ・ブラジルには「借りたものは返す」という市民社会の倫理が定着していない、ブラジルは、殺人事件の発生率がアメリカの4倍、日本の20倍以上、貧富の差は著しい(p54) ・スペインは17世紀になると、活動の半分はヨーロッパ中で起きている宗教戦争や王位継承戦争に、残りは借金の繰り延べや元利減免交渉に費やされた(p66) ・スペインは最終的には借金を完済して衰退した、イギリスは南海泡沫の際に生じた損失補てんのための借金をイギリスは完済していなくて永久債として金利のみを払い続けている(p68) ・異端や魔女の密告者は一切の民事・刑事責任は取らずにすむことになっていた、異端尋問や魔女裁判にかかる費用は、すべて容疑をかけられた人間から徴収された(p116) ・イスラムの英雄サラディーンがエルサレムを奪い返した時、十字軍の蛮行とは対照的に、キリスト教徒に平和な退却を保証して、負傷者の介護も行った(p117) ・中国は、先進国やタイ、台湾、韓国でも実質自己資本利益率は5%、中国はマイナス5.6%、マイナスというのは経営するよりも、商品を買って何もしないで1年待っていたほうがパフォーマンスが良いということ(p127) ・普通の国では国民が貯蓄に充てる金額はGDPの20%程度、だたし中国は2007年に50%を超えた(p128) ・中国では更地を購入した個人、企業は購入後に数か月以内に建築工事を着工する必要がある、なので建物を仮に建てておいて取り壊してから本当の建物の着工をする(p136) ・1965年には世界合計で3%ばかり石炭より消費量が多くなっただけの石油は、1999年には石油は石炭の1.56倍となったが、2008年には1.19倍にまで下がってきた(p149) ・中国で2008年以降に電力供給量が激減したにもかかわらずGDP成長率がプラスを維持したのは、石炭炊きのボイラーを主動力に変えて生産を続けたから(p154) ・中国の貿易構造は、価格競争力だよりの輸出品に全面依存している、だから自国の通貨高に対する抵抗力が非常に弱い、日本のように40年間で4倍強くなってもビクともしないということはあり得ない(p169) 2011/4/9作成
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『いま日本経済で起きている本当のこと』『いま世界経済で起きている大変なこと』に続く第三弾は新興国(主にBRICs)の経済について論じた本です。今までの3冊の中では本書が一番面白かったです。 BRICsと言ってもブラジル・ロシア・インドについてはほぼ1章を割いているのみで、中国の経...
『いま日本経済で起きている本当のこと』『いま世界経済で起きている大変なこと』に続く第三弾は新興国(主にBRICs)の経済について論じた本です。今までの3冊の中では本書が一番面白かったです。 BRICsと言ってもブラジル・ロシア・インドについてはほぼ1章を割いているのみで、中国の経済の分析が中心になっています(それだけ中国がネタの宝庫だと言うことでもありますが)。 中国に関しては、経済成長著しいはずの中国で電気使用量が減っているのはなぜか?という点をエネルギー政策の面から推測しているのが特に面白く、本書以外で同様の指摘を見た記憶はありません。 読んでいてドキッとしたのは「知的エリートが主導している国では想定外の自然災害が起きた時に思考停止になって経済が破綻してしまう。日本のような大衆中心の国こそが自然災害があった時に強さを発揮する」(大意)という指摘で、3月11日以前に書かれた文が震災後の日本の現実と一致しているのは慧眼と言うべきでしょう。
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