リンカン(下) 奴隷解放宣言

ドリス・カーンズ・グッドウィン(著者)

• 販売会社／発売会社: 中央公論新社
• 発売年月日: 2011/03/10
• JAN: 9784120041945

商品レビュー

2023/10/09

これは正に大作です。解説でも述べられているように膨大な公文書や伝記、さらには私事を伝える往復書簡までを読み解き、一連の物語にまで紡ぎ上げた著書の仕事は圧巻の一言に尽きる。
リンカンの政治家そして人間としての偉大さは幼少の頃の文学との触れ合いによるものも大きいのではないかと思う。劣悪な環境で暮らすリンカンにとってより広い世界に出会う体験を提供し、将来自分の思想や意見を伝える際にわかりやすくユーモアの溢れる例え話を添えるための土台を構築してくれたのではないかと考える。
あー、自分ももっと小さい頃に文学に触れておきたかったなー！

2021/08/29

Team of Rivals
大統領選挙でのライバルたちを閣僚として抱えたリンカン政権による南北戦争を扱った下巻。
上巻同様多くの史料からの充実した内容。
後書きでも触れられているが、リンカン自身、シワード、南軍についての言及のなさがやや消化不良感。この辺をフォローするような作品があると良いのだけれど。
リンカンについては、卓越した人物であったのだろうが、理想化が強い。

2013/02/01

戦時におけるリンカンの政権運営を読み進める中で、
彼がいかに時節を読み、世論に沿うタイミングで
政局を展開させていったか、その妙に驚かされる。
当然その背景であるリンカンの人心を掴む手段や行動についても
折に触れて記載され、面白い。
また彼を取り巻く多様な人物についても深く掘り下げられており、
当時の空気を感じさせる。
ただ、巻末の解説にもあったようにジェファソンデービスについては
もう少し記載があっても良かったのではないかと思う。
この点についてはまた別の本から学びたい。