ほっとする仏教の言葉 捨てて生きる

ひろさちや【文】, 村上翠亭【書】

• 販売会社／発売会社: 二玄社
• 発売年月日: 2011/02/25
• JAN: 9784544051353

商品レビュー

2011/10/16

『人間らしく生きよう』この単純にしてもっとも困難なことができない自分もいますけれど、ある程度まで走りきってから、もう一度ここに書かれている言葉を吟味したいと思っています。

一読をさせていただいて、今の自分にはずいぶんと難しいことが書いてあるなぁ、と感じてしまいました。内容をざっと押しなべて解説すると、古今の名僧達の言葉が詳細な解説入りで収録されてあって、仏教の入門書としてはすごくいいものだと思います。

ただしかし、今の僕字は実現困難なことばかりだというだけで。ただし、その中でも唯一僕の心の中に響いてきたものは『無量寿経』の中に記されてある「独生・独死・独去・独来」に関するもので解説を引用させていただきますと、

『人はこの愛欲の世間にひとりで生まれ、ひとりで死に、ひとりで去り、ひとりで来るのだ。行うところに随って苦しみの人生を得たり、幸福な人生を得たりする。行うもの自身がその報いを受けるのであり、代わりに受けてくれるものは誰もいないのだ』

という箇所で、あんまり詳しくは書きたくありませんけれど自分のここでいうところの『生活の苦しみ』には誰にも肩代わりはしてもらえませんし、自分がしっかりと耐えるしかないのだと改めて思い知らされました。僕はこの箇所が気に入ったので引用をさせていただきましたけれども、ほかにもすばらしい教えがここには記されてあって、その中には
『あくせくしないでゆっくり行こう』
などの今の僕には少し受け入れがたいものもありましたが、この世界で心の平安を求める方のために、この本を一読されてみては、なんてことを考えておりまする。