生老病死のエコロジー チベット・ヒマラヤに生きる

奥宮清人【編】

• 販売会社／発売会社: 昭和堂
• 発売年月日: 2011/03/25
• JAN: 9784812210673

商品レビュー

2019/04/09

ヒトが高地に適応するにはなん世代もかけてすこしずつ身体を変えていく。
アンデス人は赤血球濃度を上げることで、チベット人は血流量をすやすことで対応していった。
高地では出産も困難であり、スペイン人が南米高地で出産できたのは定住後53年経ってからであった。

東ヒマラヤの村では、高地のため放牧も季節によって標高を変える。田舎の農村では村内で必要物が完結し閉じ気味であることがおおいが、この地では他の村との交易が重要である。これは高地でありそれぞれが生産できるものが限られているからである。農耕民と牧畜民がいて、牧畜する場所を農耕民から借りて毎年その分の税をチーズ・バターあるいはルピーで支払っており農耕民の方が社会的に上であるという認識がある。

高地でも、道路が通り車が走ると外来植物も増えてくる。

2011/06/30

インド最北部ラダーク地方で肉を摂取しない理由が、牛肉1KGを生産するのに植物資源が16.7KG必要になるから、豆や野菜をそのまま摂取する方がより多くの食料を人間は利用することができる。単位面積当りの人口をより多く扶養することができるという高地での生き方の最適化の具合が興味深いかったです。チベット仏教の信仰により幸福の感度が高い。しかし、医療の充実もままならず、そこを幸福の感度で紛らわしているようでもありました。