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柳美里
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原仁司(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 翰林書房
発売年月日 2011/02/16
JAN 9784877373108

柳美里

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2012/03/11

芥川賞作家・柳美里さんの作品の評論集です。冒頭部に収録されてある彼女を交えた座談会から始まり、主要な作品を詳細な論考、解説を収録し、ファンはもちろん、彼女の本をこれから読んでみようという方にもぜひ。 この本は芥川賞作家・柳美里さんの作品世界を評論した評論集です。巻頭には本人を交...

芥川賞作家・柳美里さんの作品の評論集です。冒頭部に収録されてある彼女を交えた座談会から始まり、主要な作品を詳細な論考、解説を収録し、ファンはもちろん、彼女の本をこれから読んでみようという方にもぜひ。 この本は芥川賞作家・柳美里さんの作品世界を評論した評論集です。巻頭には本人を交えた座談会もあり、スリリングな話がてんこ盛りでした。僕個人も彼女の作品を10代のころから読み、その人格形成に大きな影響を受けていて、『女学生の友』や『水辺のゆりかご』さらには『ゴールドラッシュ』に『雨と夢のあとに』などの彼女の代表作に詳細なまでの評論、考察が施されていて、プロの書評というもがどういうものかという凄みを見せ付けられたとともに、彼女の言動や存在にはいつも毀誉褒貶が付きまとうものの、その存在や作家としての技量は同時代の作家の中で傑出した存在であるのだ、ということを改めて突きつけられたような気が読み終えた後にいたしました。 特に自分が感銘を受けた、というか印象に残っている箇所は彼女の祖父を描いた『八月の果て』の経緯で、僕は単行本化されたときに一気に読んだのですが、これは朝日新聞で新聞連載としてスタートしつつも、朝日新聞社サイドとの軋轢で『中断』という形で一時ストップしのちに『新潮』に未完結の部分が掲載された経緯が克明に記されていて、あぁ、なるほど。こういうことだったのか。と気づかされました。 読んだ方にはわかると思うのですが、あの小説は走っているときの息遣いを表す「すっすっはっはっ」をはじめかなり実験的な試みが施されていて、単行本として一気に読む文には問題ないと思いますが、新聞の連載であの文体を記されれば、新聞で読んでいる朝日新聞の購読者にはキツいかもしれないだろうな、というのが正直な印象でした。 そして伴侶ともいうべき東由多加が癌で他界したあとに上梓された『雨と夢のあとに』の論評は僕が今まで思いもよらなかった考察。例えば、あの話はヒロインの桜井雨が彼岸の世界に片足を踏み入れた、という解釈は自分が読んでいたときはそんなことはまったく考えていなかったので、これは驚きでした。さらに、もう一人の幽霊である暁子がその内側にひそめてある『狂気』にも考察が加えられてあって、一皮向けばこういう恐ろしいものがあるのか。という思いにあの小説で一番恐ろしかった場面が思い起こされて、背筋が寒くなったことを覚えております。 たぶん、この評論集は彼女の作品がすきか、もしくは彼女の作品を研究するために読み込んでいるという方には格好の『道しるべ』になると思いますし、これから柳美里文学の世界に入りたい、という方にも一読していただければ、ということを願って止みません。

Posted by ブクログ

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