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村から工場へ 東南アジア女性の近代化経験
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | NTT出版 |
発売年月日 | 2011/02/10 |
JAN | 9784757122710 |
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村から工場へ
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商品レビュー
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2件のお客様レビュー
タイの農村女性が、工場労働を開始するにあたり文化の違いにいかに適応するのか。また、工場での先進文化をいかに農村に持ち込むのかについて取り扱ったエスノグラフィである。 工場労働を通じて伝統的農村文化の抑圧から自由になったと感じる農村女性達が、実質的には資本主義という新たなシステムに...
タイの農村女性が、工場労働を開始するにあたり文化の違いにいかに適応するのか。また、工場での先進文化をいかに農村に持ち込むのかについて取り扱ったエスノグラフィである。 工場労働を通じて伝統的農村文化の抑圧から自由になったと感じる農村女性達が、実質的には資本主義という新たなシステムに取り込まれ抑圧されるのだが、その事実は本人らの意識の埒外であるという点において面白さを感じた。 新たなシステムを適用する際には、そこにいる人間に相対的な自由を感じさせることが有効に働くかもしれないという気づきを得られた。 余談だが、多くの性的表現も読書を続けるにあたり身近に感じられて面白かった。タイ北部では人の上に乗ることは不徳であるとされる故、騎乗位は女性に最上の興奮を与えるそうだ。
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まえがきの最初に著者は「本書は、東南アジアの日系工場で働く労働者についてのエスノグラフィ(民族誌)である」と自著を紹介している。 タイ北部のチェンマイという街の近くにある工業団地で、実際にプラスチック加工を営む日系企業で勤務をしながらまとめられた本である。著者は本書を元々は著者自...
まえがきの最初に著者は「本書は、東南アジアの日系工場で働く労働者についてのエスノグラフィ(民族誌)である」と自著を紹介している。 タイ北部のチェンマイという街の近くにある工業団地で、実際にプラスチック加工を営む日系企業で勤務をしながらまとめられた本である。著者は本書を元々は著者自身の博士論文として執筆している。実際に勤務をしていたのは、今から15年以上前の1990年代の半ば頃の話。博士論文に手を加え、NTT出版から出版されたのが、2011年2月という来歴の本である。 当時の正確な様子を知ることは難しいことであるが、この工業団地はタイ北部で最初の本格的な大型工業団地のようであり、従って、そこで働く従業員はそれまで、大規模な工場あるいは企業で働く経験を持っていない人たちばかりではなかったかと思う。職場と給料が確保される、という側面はあるが、それと同時に、マネジメントする側にも、マネジメントされる側にも、そこでは大きなコンフリクトが発生していたのは容易に想像されることである。 実際に、著者は、①日本人マネジャーと現地労働者の間でどのような文化的衝突が生じているか②工場労働をきっかけとして現地労働者の生活態度やものの考え方にいかなる変化が生じているか、について眺めてみるフィールドワークを行ったのだと、まえがきに記している。 私は日本とタイの企業の合弁の化学会社で働いている。 著者のフィールドワークがなされてから15年以上が経過していること。工場は比較的歴史のある工業団地内にあり、従業員は基本的に職歴を有して僕達の会社に入ってきていること。必ずしも地元出身の従業員ばかりではない、というか、比較的高学歴で地元以外出身の従業員が多いこと。従業員の多数が男性であること。工場はタイ東部にありチェンマイとはやや文化が違うだろうと思えること、等、僕が働いている企業はこのフィールドワークがなされた企業とは異なる部分がかなり多いのであるが、それでもどこか本質的な部分で類似性を感じる部分もあった。 博士論文であったという元々の成り立ちから考えると、学術誌ということになると思うのだけれども、素晴らしく生き生きとした面白い本であった。
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