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いま宗教にできること、できないこと
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 現代書館 |
発売年月日 | 2011/02/15 |
JAN | 9784768456538 |
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いま宗教にできること、できないこと
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
すこしばかり知識が増えたかなという程度。 宗教は現代では個人に属するモラルというものに変化していっているので、それを他人に強要してはいけないし、多くの教養ある人は、自分の芯というかたちで宗教的なものをもっているのではないかな。 日本人は宗教による集団行動をすることはなくなったけ...
すこしばかり知識が増えたかなという程度。 宗教は現代では個人に属するモラルというものに変化していっているので、それを他人に強要してはいけないし、多くの教養ある人は、自分の芯というかたちで宗教的なものをもっているのではないかな。 日本人は宗教による集団行動をすることはなくなったけれど、新しいかたちでの宗教的な交わりが求められているのではないでしょうか。
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一見おカタい哲学本かと思いきや、かつて一世を風靡した『千の風になって』から宮崎駿監督のジブリ映画『魔女の宅急便』、相田みつをの詩、果ては中島みゆきの歌に至るまで、実に幅広い作品が、読者の理解を助けるための題材として登場する。 さらに、「葬式仏教」の課題にとどまらず、被爆医師...
一見おカタい哲学本かと思いきや、かつて一世を風靡した『千の風になって』から宮崎駿監督のジブリ映画『魔女の宅急便』、相田みつをの詩、果ては中島みゆきの歌に至るまで、実に幅広い作品が、読者の理解を助けるための題材として登場する。 さらに、「葬式仏教」の課題にとどまらず、被爆医師の永井隆やコルベ神父、ヨナのニネベ伝道など、キリスト教に関する話題もふんだんに盛り込まれ、適度なバランスを保つ。世の中を宗教者の視点で論じるとはこういうことなのだと、改めて考えさせられる。 最近ハヤりの「社会貢献」を云々するのがねらいではない。本書の主眼は、これらあらゆる事象の根本にある「カイザルのもの(王法=「俗」なる領域)」と「神のもの(仏法=「聖」なる領域)」の未分化という問題を明らかにし、それを弁別する知恵の必要性を説くという点に置かれている。 たとえば、死刑廃止の立場に立つ一仏教徒として、「何もここに『不殺生戒』という聖なる次元の理想を持ち出してきて、国家の法はそれに従えと、強要する必要はない」と指摘し、「聖」なる世界の論理を短絡的に「俗」なる世界に持ち込むことを戒める。この世の努力を放棄して「神の御心」を語り、一方的に「受忍」と「赦し」を強要するような一部キリスト教会にとっては耳が痛いはずである。 そのうえで、「世俗社会の価値基準を超えた超越的視座から、一人ひとりの人間の内面に呼びかけて、根源的な反省をうながす点」にこそ宗教の本来的使命があるとし、「教団組織をもつ宗教の胡散臭さには辟易しつつも、何か根源的な気づきを与えてくれるものを欲している現代人の要求」に応え得るものとして、「宗教的なもの」「無名の宗教」の営みの中に、その萌芽を見出す。 読んだのは震災前だが、今になってみると、より一層重みを増して響いてくる。宗教にできること、できないこと、宗教者がすべきこと、すべきではないこと、そして……人間にできること、できないことが、今ほど問われている時はない。信仰を持つ者にとっても持たない者にとっても一読の価値ありとおススメしたい。(松ちゃん)
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