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レーニンの墓(下) ソ連帝国最期の日々
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2011/02/01 |
JAN | 9784560081082 |
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レーニンの墓(下)
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レーニンの墓(下)
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『レーニンの墓』(上・下) ワシントンポスト特派員(1985-91)のデービット・レムニックがソ連社会主義国家の崩壊過程とゴルバチョフ改革の日々を膨大で丹念な取材を重ねて紡いだ歴史ドキメンタリーである。ペレストロイカでソ連の社会民主主義化を主導したゴルバチョフは世界では高く評価さ...
『レーニンの墓』(上・下) ワシントンポスト特派員(1985-91)のデービット・レムニックがソ連社会主義国家の崩壊過程とゴルバチョフ改革の日々を膨大で丹念な取材を重ねて紡いだ歴史ドキメンタリーである。ペレストロイカでソ連の社会民主主義化を主導したゴルバチョフは世界では高く評価されるが、国内では保守反動派とエリツイン改革派の圧力に揉まれ政権運営の舵取りに右顧左眄する。クリミアの別荘で軟禁され保守強行派のクーデターで政権転覆され「ソ連の裏切り者」となる。 ゴルバチョフの苦悩とスターリンの政策を克明に追跡しソ連社会主義共和国の歴史上の意味を洞察する大作である。 1917年ボルシェビキ革命以来のソ連社会の推移と内実をグラスノスチで再現する。スターリンの社会主義建設の諸施策、農業集団化・工場国有化や周辺民族対応、ナチスとの祖国防衛戦争等での弾圧・虐殺の実態が関係者への取材で明らかになる。共産党官僚の腐敗、NKVDやKGBの暴力性や監視・粛正の恐怖政治も赤裸々に暴かれる。一連の「歴史的偉業」は悉く失敗であったことが示される。 ・ソ連のスターリンによる粛正の犠牲者は四千万人(ロイ・メドベージェフ)とも六千万人(ソルジェニイツイン)ともいわれている ・1988年ソ連国防省軍事史研究所長のウオルコゴノフ将軍が大祖国防衛戦争の歴史を書く。1939年に締結されたモロトフ=リッペントロップ協定、将校団粛正(数千人規模)の赤色テロル、バルト諸国その他領土併合のための対ナチス交渉の秘密などが暴露される。社会主義ソ連最大の金字塔とする独ソ戦勝利の欺瞞も明らかになる。 「ソ連の戦争勝利はほとんど偶然であってスターリンのおかげでスターリンがいたにもかかわらずもたらされた。2700万人のソ連国民は多分犬死でありソ連の勝利は一つの野蛮な体制がもう一つの野蛮な体制に勝ったにすぎない」 ・1991年ソ連軍事検察局のトレテツキー大佐はポーランドの「カチンの森虐殺」の発掘調査をする。カリーニンとカチンとスタロベルスクで一ヶ月間、NKVD要員が毎晩ポーランド高級将校250人の後頭部を銃撃・処刑し急拵えの穴に埋葬、一部執行者は発狂し自殺も。この虐殺をナチスの所業に偽網し歴史を捏造。 「クレムリンの宣伝機関は演説や外交交渉、教科書の中でこの作り話に固守し、体制とその帝国を支えるイデオロギーと公式史の壮大な虚構を作り上げた。クレムリンは歴史を極めて重大に受け止めていたため、歴史を管理し、その言語と中身を編むための巨大な官僚機構を創出した。そのため、残虐で恣意的な粛正は敵と外国のスパイに対する勝利となり・・・」 「歴史がもはや共産党の道具でなくなってしまうと、党は行き詰まる運命にあった。歴史はまさにそのことを証明した。党は芯から腐っていた」 米ソ冷戦下、ソ連社会主義共和国の目を覆う惨状。 これは筆者の主張ではなく、読んでいる自分の感想であるが、ソ連は敗戦や革命でなく自らの矛盾が沸点に達し限界で自壊しロシアに変わった。その真因分析は今だに不十分で総括のプロセスが欠落している。人類史上、初の試みであった社会主義国家建設の失敗に当時の政治家・識者はもとよりアカデミズムやメディアの対応はどうであったのか。レーニンやスターリンなど当事者の政策の問題はもとより、社会主義や共産主義の「唯物史観・労働価値説・平等・私有財産廃止・プロレタリア革命・共産党一党独裁・・・」理論のマルクス主義思想そのものに元凶を辿らざるえない。 「裏切った党の人間から憎まれ、見捨てた民主派からは無視された。ゴルバチョフは急速に忘れられ、世界はソ連崩壊の意味を深く咀嚼することなく、あの時期への興味を失っていった。エリツイン政権下で経済は行き詰まり、チェチェン戦争にも失敗、新生ロシアは危機的状況にあった。・・・だが歴史に断絶はない。プーチンと旧KGB関係者、いわゆるシロビキが権力を握る今日のロシアは、20年前に死んだソ連の直系子孫である。」と翻訳者があとがきで書いている。 現実的には難しかったと思うが、ゴルバチョフはスターリンの否定やレーニン思想への訴求のみならず、マルクスの共産主義理論を抉る総括をすべきであった。 この作品は自分に人生の振り返りを迫ってくる。 ソ連の70年間はヒトラーのナチス・ファシズムより大きな犠牲を齎らした。人類史上これ程の惨劇の思想と運動の歴史的総括や反省はどうなのか。 日本でも社会科学の学問領域で一世を風靡した“マルクス主義学者“がいつの間にかいなくなった。 50年前時流に流されて、深く学び考えることもせず、それがすべてと思い込んだ自分が恨めしい。 一つの思考に縛られた精神の何と狭隘で貧困なことか、改めて自由な知的深耕と挑戦の励みになる衝撃作であった。
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誰も予測し得なかったソヴィエト連邦の崩壊、レーニンやスターリンに訣別するまでの経緯が多数のインタビューをもとに克明に記録されています。
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1991年にソ連が崩壊して20年、ゴルバチョフら当時の政治指導者、反体制派の人物多数に取材を重ね、帝国落日に至るまでの知られざる真実に迫った、傑作ノンフィクション!
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