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植民地期朝鮮の歴史教育 「朝鮮事歴」の教授をめぐって
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植民地期朝鮮の歴史教育 「朝鮮事歴」の教授をめぐって

國分麻里【著】

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植民地期朝鮮の歴史教育 「朝鮮事歴」の教授をめぐって

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新幹社
発売年月日 2010/12/25
JAN 9784884000936

植民地期朝鮮の歴史教育

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2011/06/05

3.1独立運動に震撼した朝鮮総督府は、朝鮮人児童に対する歴史教育の実施を始める。その目的は、日本と朝鮮が太古から分かち難い関係にあり、1910年の日本による併合は歴史的必然であると知らしめることにあった。その支柱とされたのが、当時の日本教育界でブームとなっていた郷土教育である。 ...

3.1独立運動に震撼した朝鮮総督府は、朝鮮人児童に対する歴史教育の実施を始める。その目的は、日本と朝鮮が太古から分かち難い関係にあり、1910年の日本による併合は歴史的必然であると知らしめることにあった。その支柱とされたのが、当時の日本教育界でブームとなっていた郷土教育である。 本書は、植民地下朝鮮における教育指導者や実践者たちの言説や資料を通して、日本帝国のいち「郷土」としての朝鮮の歴史を教授することで愛国心を養う試みがいかに展開し、挫折に終わったかを明らかにしていく。 朝鮮が日本とは必ずしも関係しない歴史を持つ独立国であった事実を覆い隠しつつ、その歴史を日本との従属関係において一貫性をもったものとして提示することは、最初から矛盾を抱えた政策であった。しかし現場の疑問は、「郷土史教育を通じて郷土愛をはぐくむことが、愛国心につながる」という非論理的な信念の前でかき消されていったという。数年前に保守政権が推し進めていた愛国心教育でも、郷土愛(と家族愛)が、「国を愛する心」に自然につながるものとして重要視されたことを想起せずにいられない。 家族愛から郷土愛へ、そして愛国心へという、この非論理的な連関が今なお自然化され続けるのはなぜなのか、そもそも国家による「歴史」教育とはどのような政治的意味をもつのか。そうした根源的な問いにこたえるには、本書はあまりに既存の歴史研究の枠にお行儀よく収まりすぎている。とはいえ貴重な植民地研究には違いない。

Posted by ブクログ

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