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女が国家を裏切るとき 女学生、一葉、吉屋信子
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2011/01/27 |
JAN | 9784000224116 |
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女が国家を裏切るとき
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商品レビュー
5
2件のお客様レビュー
2022年10月「眼横鼻直」 https://www.komazawa-u.ac.jp/facilities/library/plan-special-feature/gannoubichoku/2022/1001-13367.html
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のっけからサブカルチャーのテキストによる論考が開始されて驚いたが、相変わらず鋭く挑戦的ながら、破綻のない論が展開される。さすがとしか言いようがない。 女性文学を専攻分野とする著者が、女性に仮託された「暴力」や「戦争」への正当化や、被害者としてだけでなく、加害者側に廻り得る女性側から発信される文学の問題点や責任を明らかにしていく。 「泣ける」というキーワードで現代の物語群やサブカルチャーを見渡したとき、その涙の影にある暴力が、可憐な女たちによって紡がれることで覆い隠されるという驚くべき見方を提示する本書。 最も傷つきやすいものを傷つけ、争わせる陶酔の向こうに私たちはどんな欲望や願いを隠し持たせているのか。 私自身の中にも、自制と暴力は同時に内在し、悲しみや抑圧の経験を持つと共に、自分を守るためだと擁護しながら激しい攻撃性をも表出させていることに思い当たらざるを得ない。 いつから我々は、揮うことを容認される「チカラ」を纏うことを望むようになったのか。本来闘うことに指向性の高かった男性たちが、か弱かったはずの女性がチカラを負うことに瞠目する場面が語られる現代。 私たち女性の内面は、争うに相応しい激しい変化のみを遂げたのか。男女の感情が入れ替わってしまったような場面に、未だ残るヒロイックな儚さは、何を示すのか。 解読の行程は、思いがけない痛みや苦しみをもたらしそうだ。しかし真摯な読み手でありたいならば、その闇から眼をそらすことは、許されないと思う。 自らに一番厳しくあるものでなければ新たな読みを切り開くことなど、おそらくできないのだろう。 読了してから著者の逝去を知った。 最も尊敬する国文学研究者のお一人である。 新しい書下ろし著書としては最後の一册になる。 忘がたい一書となった。
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