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人間はガジェットではない IT革命の変質とヒトの尊厳に関する提言 ハヤカワ新書juice
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2010/12/25 |
JAN | 9784153200166 |
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人間はガジェットではない
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商品レビュー
3.8
17件のお客様レビュー
むむむ。読み応えあり。かなり深い問いだ。インターネットはわれわれを幸せにしたのだろうか。 P26 MIDI登場後、音符は単なる概念ではなく、強制力を持つ確固たる構造となり、デジタル化した生活で避けることのできないものとなった。固定化という過程は人生のルールブックを洗う波のような...
むむむ。読み応えあり。かなり深い問いだ。インターネットはわれわれを幸せにしたのだろうか。 P26 MIDI登場後、音符は単なる概念ではなく、強制力を持つ確固たる構造となり、デジタル化した生活で避けることのできないものとなった。固定化という過程は人生のルールブックを洗う波のようなもので、思考構造が不変の実在と固定されてゆくにつれ、柔軟な考えが内包するあいまいさがそぎ落とされていく。 固定化はデジタル的なもの描写方法として勝算のないものを取り除く過程だが、それは同時に、その結果、永遠性を与えられる概念を簡略化したり狭めたりする過程でもある。そのとき、意味内容の境界に存在する曖昧模糊としたニュアンスがそぎ落とされる。 P32 ファイルという考え方はあまりよくないと思うコンピュータ研究者がたくさんいた。 鉄道やファイル、音符に起きたことは、ほどなく人間の定義にも起きるはずだ P74 感応の輪とは概念的なもので、一人ひとりが自分の周りに描く。一定の距離を保って人を囲むように描き、その円の内側は自分と感応するもの、感応すに値するものとなる。 ~問題となるのは、輪の境界近く存在するモノだ。特に、境界のすぐ内側あるいは外側にある物や人が問題になる。奴隷というのは、一部の人をこの境界の外側において人でなくすことだ。 ~この輪をできる限り拡大したらまずい理由があるだろうか。答えはイエスだ。 P91 私が嫌うデジタル文化へのアプローチでは、ケビンが示唆したように世界の本を一つにしようという動きが進んでいる。~クラウドにアップロードされた本にアクセスするインターフェースが断片のマッシュアップを促進するものだった場合、断片にまつわる文脈やだれが書いたのかをあいまいにするものだった場合、全体が一つの本になってしまう。 P103 これは自分をどう規定するのか次第だ。友人のグループについて、その恋愛関係についての情報を受け取ていると、次第に、その情報の流れをもとに物事を考えるようになる。言い換えると、この場合も、人が自らを貶め、コンピューターが正確だと見えるようにしている。 P130 しかし、ソーシャルネットワーキングのサイトでプロフィールを作ろうと自分を単純化する作業は順番が逆転する。職業、配偶者の有無、居住地などのデータを記入していくわけだが、このとき、デジタルへの単純化は目的や結果ではなく原因となるもの、新しい友人との出会いにつながるものとなる。 ~ いずれの場合も、人生がデータベースに円冠される。この劣化は、いずれも、同じ哲学的まちがいによって引き起こされている。つまり、人間の考えや関係を今のコンピュータが表現できるという考え方だ。どちらも、今、コンピュータにはできないことだというのに。 P133 彼らがとめどないストレスに身をさらしていることに、いつも驚かされる。オンラインの評判を保つ努力をしなければならない、個人に対していつ牙をむくかわからない手段意識にめをつけられないようにしなければならないのだ。ある日突然、オンラインで恥をかかされたとき、「フェイスブック世代」の若者に逃げ道はない。群れはひとつしか存在しないからだ。 P231 新しい音楽はどこにあるのだろうか。どこを見ても、レトロ、レトロとレトロばかりになってしまった。 P317 それはつまり、健康なお年寄りはどんどん健康になって長生きすること、そして、人生の「若い」時代が長くなることを意味する。 ~技術の進歩で人の寿命が延びると文化の変化は遅くなるのだ。
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便利な社会となっていく。本当か?ITを活用してなんていっているが、実は活用されているのは人間?なんてことを考えている人たちに読んでほしい本。
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長い夏休みを使って、7年前にゼミの教授から卒業記念にもらった本をようやく読了。最近は本とか読んでなかったなーと痛感。内容はざっくりとVRの名付け親による、デジタル(IT)革命への警鐘という感じ。翻訳ということもあって、難解な部分も多かったものの面白かった。 人間が機械やデジタル...
長い夏休みを使って、7年前にゼミの教授から卒業記念にもらった本をようやく読了。最近は本とか読んでなかったなーと痛感。内容はざっくりとVRの名付け親による、デジタル(IT)革命への警鐘という感じ。翻訳ということもあって、難解な部分も多かったものの面白かった。 人間が機械やデジタルに過度に合わせにいくようになると、人間の創造性や可能性が奪われ、単なる一ガジェット(やセンサー)に堕していくという……8年前に書かれた本なのに、今でも形を変えて通用することばかり、というのは、逆に筆者が危惧した方向に、社会が進んでしまっているということでもあるのかなと。
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