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顔 百年文庫58
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
発売年月日 | 2010/12/10 |
JAN | 9784591121467 |
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顔
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商品レビュー
3.8
7件のお客様レビュー
“顔”それは、相手の感情を揺さぶる武器でもあり、自分の感情を曝け出してしまう弱点でもある。 ディケンズ『追いつめられて』 ボードレール『気前のよい賭け事師』 メリノ『イールのヴィーナス』 物語の冒頭、ディケンズはこう記す。 「態度と結びつけて考察した場合の人間の容貌、これにま...
“顔”それは、相手の感情を揺さぶる武器でもあり、自分の感情を曝け出してしまう弱点でもある。 ディケンズ『追いつめられて』 ボードレール『気前のよい賭け事師』 メリノ『イールのヴィーナス』 物語の冒頭、ディケンズはこう記す。 「態度と結びつけて考察した場合の人間の容貌、これにまさる真理というものはこの世にない」 メリノの物語は「偶像(ヴィーナス)」の不思議な顔が妖しいほど美しく……不思議なお話。
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「追いつめられて」 最後の展開は面白かった。 保険金詐欺であることは容易に想像がついたけど。 髪の毛の分け目に対する嫌悪の表現が面白い。 こういう象徴の形で、感情や人物を表す方法があるとは。 読みやすかった。 「気前のよい賭け事師」 悪魔は魅惑的で決してよそよそしいものではない...
「追いつめられて」 最後の展開は面白かった。 保険金詐欺であることは容易に想像がついたけど。 髪の毛の分け目に対する嫌悪の表現が面白い。 こういう象徴の形で、感情や人物を表す方法があるとは。 読みやすかった。 「気前のよい賭け事師」 悪魔は魅惑的で決してよそよそしいものではないのだ、ということを感じさせる作品だった。 悪魔は、旧友のようにすっとなじんで打ち解けてくる。 ちょっとした隙に、自然に強烈に誘ってくるのだな。 そして、知らないうちに魂を差し出してしまうのだ。 人が悪に染まっていくのは、こんな感じなのだろうな。 短いけれど面白かった。 「イールのヴィーナス」 怖い。 美しくも恐ろしい。 顔というものは、その精神を表すものなのだろう。 握りこまれた指を見たときの恐怖といったら、なかっただろうと思う。 陽気で元気で活発だった老人の、息子を失った悲しみと、自分が掘り出した像がの圧倒的な力を思い知らされた感情は、どれほどのものだったか。 像は、かつて埋められたのかもしれない。 像の作者は、いったいどれほどの感情をこめて、この像を作ったのだろう。 命を削って吹き込んで塗りこめて、作っていったのだろうな。 人の心を震わす作品を見ると、いつもそう思う。
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これはなかなかおもしろかった! ディケンズの作品はストーリーがしっかり作り込まれていたし、ボードレールの作品の世界観は好みだったし、メリメの作品には背筋をぞくっとさせられた ディケンズ『追いつめられて』 ボードレール『気前のよい賭け事師』 メリメ『イールのヴィーナス』
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