乃木坂春香の秘密(13) 電撃文庫

五十嵐雄策【著】

• 販売会社／発売会社: アスキー・メディアワークス/角川グループパブリッシング
• 発売年月日: 2010/12/09
• JAN: 9784048701266

商品レビュー

2010/12/28

デート、Date、で～とな一冊

[ＤＳＫ]

春香への想いを確たるものにしたことで椎菜とは“お友達”になった裕人にとっての最後の抵抗勢力というか最大の対抗馬が大フィーチャーされた一冊。口絵も含めて美夏一色の第１３巻である。美夏が企てた春香とのデート（第四十七話）、友人達も交えた遊園地での Date （第四十八話）、お誕生日会の後に決行したで～と（第四十九話）とデート三昧だったりもする。春香とも美夏とも結構大胆な展開になるのだが、このシリーズのテイストからすると、まぁ、こんなもんだな、というところで、ドキドキというよりちょっとニヤニヤするくらい。むしろ、春香の苗字が裕人のに変わったら、とある女優さんと同じになるのは狙ったの？とか、ホテルの支配人の苗字（中目黒）は『生徒会の一存』シリーズ（著：葵せきな、富士見ファンタジア文庫）を狙ったでしょ？とか、遊園地デートは『僕は友達が少ない５』（著：平坂読、ＭＦ文庫Ｊ）にもあったけど随分違うなぁ（あちらはメインヒロインがゲロリストだし）とか、妙なところで変な感慨を覚えて楽しんでいた。要するに今回のエピソード全部を以て美夏の想いが定まるところが今回の肝なのである。春香と同じく、この期に及んでようやくか、との焦れったいもどかしさも無くはないが、椎菜の時とは異なる形で、このシリーズらしく纏まった感じでもある。思えば相手は「姉の（ほぼ）恋人」なのだから、おかしなことになって気まずいのも宜しくなく、ある意味美夏らしいポジティヴな（一応の）結末かと思う。珍しくも美夏視点での心情描写が随所にあり、これまでの行動は耳年増過ぎだろと笑いツッコミしたくなる“ホントはとってもウブ”な想いが存分に綴られていた。ただ、美香の友人達にも充分に出番があって相応に面白かったが、あれだけ想いを馳せたエリが裕人争奪戦に参加もさせてもらえず半ば放置なのはちょっと可哀想な気も。最後に大どんでん返しでもあるのだろうか。

ここまで想われ、慕われる裕人がとんでもなくコンチクショーにも見えてくるが、最後には大人の独善に巻き込まれるような不穏な予兆も見せているので、この、ラストエピソードと思しき試練をどう受け止め、そしてどう乗り越えていくのかに期待がかかる。

2016/04/05

今回は美夏メインのストーリーです。

春休みに入り、春香と会う機会が少なくなった裕人のために、美夏がデートをプランニングをおこなうことに。秋葉原でのデート、豪華客船でのクルージングときて、その後は２人でお泊りまでお膳立てします。無邪気に喜ぶ春香ですが、前回のくだりで春香への想いに気づいた裕人はどぎまぎしてしまうことに。

次は、美夏と彼女の同級生の光、美羽、エリに連れ出されて富士急ハイランドへ出かけます。最後は裕人と美夏の２人で観覧車に乗って、一日を終えます。

その次は、乃木坂家で開催される美夏のお誕生日パーティに招かれる話。パーティの終わりに、美夏は裕人を連れ出し、２人だけでのデートを強行します。裕人は当たり前のように美夏の気持ちにまったく気づきませんが、彼女の真剣さに接して今日一日、彼女といっしょに過ごすことを約束します。その後、２人でお泊り第２幕となります。

前巻の椎菜のターンでは、かなりシリアス分が多めだったのに対して、今回は美夏らしい明るさを失うことなく、エピソードをこなしているところは上手いと思いました。きっちりと「平常運転」を守り続ける著者の姿勢は、好ましく感じます。

2013/04/21

乃木坂姉妹とそれぞれデートする話。
絵師がはりきったのかいつもより挿絵が多いような・・・
かわいいイラストがたくさん見れてお得な気分になった。
美夏が物わかり良すぎてストーリーは御都合主義全開。
修羅場を作っても良さそうなものだがもはやこのままで良い気もする。