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日中国交正常化の政治史
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 名古屋大学出版会 |
発売年月日 | 2010/12/20 |
JAN | 9784815806538 |
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商品レビュー
4.5
3件のお客様レビュー
戦後から日中国交正常化までの政治史が、膨大な客観的事実とともに淡々と丁寧に、フェアにフォローされており、資料として貴重。 日中国交正常化の政治史とは、台湾の扱いを巡る駆け引きだったということがよくわかる。これに、米国、中国、台湾が各々絡み、国内政治(及び財界)とも結びついている構...
戦後から日中国交正常化までの政治史が、膨大な客観的事実とともに淡々と丁寧に、フェアにフォローされており、資料として貴重。 日中国交正常化の政治史とは、台湾の扱いを巡る駆け引きだったということがよくわかる。これに、米国、中国、台湾が各々絡み、国内政治(及び財界)とも結びついている構造である。現在の(対中)外交も、多かれ少なかれこうした構造を引きずっているのだろう。 曖昧さを許さず、日華断交を一貫して迫った中国。日本はそれに対して右往左往していたようにも見えるが、「二つの中国」を中国台湾当事者たちが一貫して強く否定していた事実を鑑みると、他の選択肢は現実的に取り得なかったろうし、また取るべきでもない(他者が押し付けるべきではない)と考える。この点、佐藤総理の考えに賛同するもの。 実際、共同声明文言で日本が譲歩した面は実は少ない。「理解、尊重」は当時の国際的なラインであり、ポツダム宣言も日本は既に受諾済みのものであったからである。先走りしがちな橋本ではなく、条約課の栗本が起草したから、このバランスが保たれたのだと思う。その後の日台実務関係の発展、台湾の民主化、台湾化の現状を見れば、日本の懸念、悪夢は(少なくともまだ)実現していないと言える。 日本外交の課題は、性急に国交正常化を進めなければならないとする、政財社会面からのプレッシャー(ポピュリズム)と、官僚の法理至上主義による大局観の欠如であり、これは現在なお引き摺る永遠の課題だと思う。 特に台湾を巡る情勢がきな臭くなっている現在こそ、中国を相手に、この課題を克服した大局観ある政治、外交が求められると思う。
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台湾問題に焦点を当て、日本政府が、様々な代替可能性を模索しつつも、構造的制約と内在的限界に直面して、選択肢が狭隘化し、1972年の日中国交正常化に至る政治過程を実証的に明らかにしている。著者は、問題意識が先行するような目的論的な歴史叙述を慎み、原文書から事実を再構成し、政策過程を...
台湾問題に焦点を当て、日本政府が、様々な代替可能性を模索しつつも、構造的制約と内在的限界に直面して、選択肢が狭隘化し、1972年の日中国交正常化に至る政治過程を実証的に明らかにしている。著者は、問題意識が先行するような目的論的な歴史叙述を慎み、原文書から事実を再構成し、政策過程を追体験することで、政策決定者の苦悩を共有することに努めるとともに、可能な限り当時の政策決定者の論理と認識を再構成を心がけたとしている。 約650頁の大作で読み進めるのがたいへんだったが、非常に読み応えのある日本現代政治外交史の研究書だった。日中国交正常化に至るまでに、いろいろな「構想」が政府内で生起しつつも挫折していったという内情がよくわかった。交渉相手をはじめとするステークホルダーの多い外交の難しさを感じた。 台湾問題が、戦後の日本外交及び国内政治にとって、大きなテーマであったことを再認識した。現在、台湾問題は、事実上の「二つの中国」が固定化しつつあると思うが、1950~60年代に日本政府も模索していた「二つの中国」論が国際的に承認されたものとなっていればどうなっていただろうか、という思いを持った。 また、副次的な感想だが、本書で引用されている『佐藤栄作日記』が、かなり率直に書かれていることが印象的だった。
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650頁もの厚い本だが、たいくつせずに読めた。一つの一つの事実の発掘と分析がとても興味深い。もっとも、ぼくは本書をまず半分よりあとの部分から読み始め、最後まで読んだところで最初にもどるという読み方をした。そうでなければ、途中でじれったくなったかもしれない。逆に後半を前に読んだおか...
650頁もの厚い本だが、たいくつせずに読めた。一つの一つの事実の発掘と分析がとても興味深い。もっとも、ぼくは本書をまず半分よりあとの部分から読み始め、最後まで読んだところで最初にもどるという読み方をした。そうでなければ、途中でじれったくなったかもしれない。逆に後半を前に読んだおかげで、ここまでにどのような動きがあったかを知りたくなった。さて、本書は日中関係を論じたものであるが、中国誕生後の国際政治史の本としても読むことができる。日中関係はつねにアメリカとの関係に左右されるが、ヨーロッパの中国政策とも切り離せないし、さらには、日本の国内の政治状況とも切り離すことができないことが本書からわかる。日中関係正常化はたしかに田中角栄の果敢な行動力をぬきに語れないが、それまでの大平正芳の執念、外務省官僚の多くの努力をぬきには語れない。また、歴代政府は、つねに中国との関係正常化の道をさぐっていたことも、多くの事実の提示によってわかる。要するに、日中国交正常化は、田中角栄や日中友好運動だけによって実現されたものではないということである。一方、中国自身も、つねに国際環境の中で、ソ連、アメリカとの関係を前にして、日本への対応をその都度変化させている。そもそも、日中関係の正常化を考える上で台湾との関係をどうするかは最大の問題でもあった。日本からすれば、あるときは二つの中国、あるときは一つの中国二つの政府論であるが、最後は一つの中国でなければ正常化ができないというところまでいく。その過程も細かく描かれている。もっとも、日中正常化以降の台湾政府の動きについてはもう少し詳しく知りたいとは思った。今の、大陸中国と台湾が併存した状態からすれば、かつての台湾政府の「大陸反抗」のスローガンなどは夢物語に見えるが、それはたしかにそういう状況が存在したのである。中華人民共和国が本当に永続する国家であるかも、当初の日本人は疑ったほどだ。本書を読んでいて、ぼくは、自分が生き、多少はかかわってきた戦後の日中関係の歴史を追体験しているような錯覚に襲われた。
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