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図説 地図と由来でよくわかる!百人一首 青春新書PLAY BOOKS
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 青春出版社 |
発売年月日 | 2010/12/03 |
JAN | 9784413042970 |
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図説 地図と由来でよくわかる!百人一首
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商品レビュー
3
4件のお客様レビュー
文法やら、修辞法やら、解釈やら、そういった本とは違って、それなりに勉強した人でも新しい発見ができる本で面白かった。百人一首をある程度教養で知っている人向けだと思います。 歌人の人柄が見えてくる内容でした。
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タイトル通り、地図はもちろん、図表、画像、イラストがたくさん入っているでイメージがわきやすい。とくに地図が多いので、ちょっとしたフィールドワークにも便利。百首それぞれについて、かなり幅広い情報が載っている。ただ百首の順番、カテゴライズがちょいと独特なので注意が必要かな。
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先日読んだ『だれも知らなかった「百人一首」』が楽しく参考になったため、同じ著書の百人一首本を更に読んでみました。 画像やイラスト、地図が多用されており、視覚的に分かりやすくなっています。 歌の解釈がほとんどで、加えて作者の紹介も少し、というまとめが多い百人一首本ですが、この本は、...
先日読んだ『だれも知らなかった「百人一首」』が楽しく参考になったため、同じ著書の百人一首本を更に読んでみました。 画像やイラスト、地図が多用されており、視覚的に分かりやすくなっています。 歌の解釈がほとんどで、加えて作者の紹介も少し、というまとめが多い百人一首本ですが、この本は、もっと踏み込んで、歌枕の場所や作者の生涯について詳しく紹介しています。 和歌とは直接関係ない、さまざまな雑学を知ることは、一見百人一首の理解にはつながらなさそうですが、当時の時代背景をおさえることが何よりの状況把握につながっていくものだとわかります。 「みゆき」は天皇や上皇が御所の外に出かけることとは知っていましたが、天皇なら「行幸」、上皇なら「御幸」と書くとは知りませんでした。 持統天皇が、年齢の割に華やかな恰好で描かれているのはカルタ屋の商売事情だというのは、前述の本で知りましたが、当時は十二単はまだなかったとのこの本での指摘に(そういえばそうだ)と更にはっとしました。 天智天皇は、民衆には必ずしもよい君主ではなかったものの、後世彼を理想化・美化したのは桓武天皇だとのこと。 蝉丸には謎が多く、多くの伝説が残されており、いつしか盲目の琵琶法師の祖という設定がついたそうです。 あげくの果てには醍醐天皇の皇子という貴種譚まで出たとのことで、小野小町しかり、資料が遺されていないと、どんどん話に尾ひれがついていくものだと思いました。 百人一首に選ばれた歌人たちは、誰もが恵まれた一生を送ったものと、勝手に思っていましたが、そうではなかったということが、この本から読みとれます。 藤原道長の甥の三条院は、天皇になってから道長に政治的圧迫をかけられ、政局に翻弄された生涯を送った揚句、眼病に犯されて視力が見えなくなっていき、ついには失明したという悲劇の人物。 鎌倉右大臣(源実朝)は、鎌倉幕府第三代将軍で、和歌に打ち込んだのに22歳を過ぎてから一首も読まず、28歳で甥に暗殺されてしまった、これまた非業の人。 西行は北面の武士から23歳で突然出家し、流浪の人生を送りましたが、彼を引きとめようとした4歳の娘を縁側からけり落としたという話には衝撃を受けました。 ブッダの出家以上の激しさです。 さらに、西行の出家後、妻も出家し隠遁生活を送り、20年後に再会した娘にも彼は出家を促し、出家させたとのこと。 無常の世を感じます。 かと思うと、陽成院の和歌は、異常な執着心も見えると、ストーカー気質をほのめかしてみたり、右近の和歌は裏切った相手に送った恨み節の歌で、送られた相手からの返歌はなかったなど、恋への絶ちがたい妄執もあるとするこの歌撰。 歌詠みに敗れて、悲嘆のあまり死に至った人もいますし、昔の人々も、和歌を読めるほど風雅な立場にいながら、穏やかならぬ生涯を送ったようです。 解説が生き生きとしているため、歌人たちの人間くさい生き方が、立ち上るように見えてくるのもこの著者ならでは。 中納言朝忠は貴公子で風流人だったのに、常に恋の結果はかんばしくなく、なぜなら医者もさじを投げたほどの肥満体だったからだ、という指摘は、予想外すぎてつい笑ってしまいました。 粗食が常の当時でも、肥満体はいたわけですね。 紫式部は清少納言を一方的にライバル視していたことも知りました。 性格的には、清少納言の方が意識しそうですが、少し年代が異なるせいかもしれません。 清少納言は不美人であったとされ、かるたでも正面からは描かれないとのことで、小野小町とはまた逆の理由から、二人とも顔出しはNGなのだと理解しました。 29歳の藤原俊忠が70歳の祐子内親王家紀伊に求愛し、返歌をもらった話も、なかなか斬新。 こうして現代に名を残し続ける歌仙たちとはいえ、幸せな生涯を送ったとはいえないことがよく分かった一冊です。 たしかに、選ばれた歌の数々はどれも、ままならない恋や人生を歌ったものばかり。 人の悩みや憂いは、時代が変わっても常に共通しているものだと、改めて納得できる本でした。
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