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大どろぼうホッツェンプロッツ三たびあらわる 偕成社文庫2009
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 偕成社 |
発売年月日 | 1975/11/01 |
JAN | 9784035500902 |
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大どろぼうホッツェンプロッツ三たびあらわる
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商品レビュー
5
11件のお客様レビュー
大泥棒、廃業。 廃業すると言いながら、けっこう後の方までウソなんじゃないかとドキドキした。 このシリーズに出てくる食べ物はみんなおいしそう。 多分大人好みの味。 子どもの頃よりずっと魅力を感じる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大ヒットセラー童話のシリーズ完結作に相応しいとても面白い物語だった。なんと今回はこれまでの敵役ホッツェンプロッツが改心し和解するのである!犯罪者の更生と救済という気になるフック、そして無実の証明というワクワクするストーリー、次々に状況が変わる展開、シリーズの集大成らしいよく練られた物語と伏線回収、登場人物の魅力あふれる愉快さや優しさ…面白すぎて真夜中にもかかわらず一気読みしてしまった。 好きな見どころをざっとあげてもゼッペル、カスパール、ホッツェンプロッツの交流と友情、一作目の妖精アマリリスと妖精草そして魔法使いの城の再登場、すっかり仲良しコンビになったバスティとディンプルモーザー氏、バスティがカボチャと間違えて水晶玉をかじらなくてよかったと安心するシュロッターベック夫人とキリがない!三作通してお馴染みの美味しそうな食べ物も多数登場し、夜中に読んでいたのでお腹が空いてしまった。さらにイラストも雰囲気に合っていてとてもよく、図書館から借りている間、しょっちゅう挿絵や表紙裏を見てしまった。 一番好きなシーンは最後の最後の場面で、それまで頑強にホッツェンプロッツを犯人に決めつけていたディンプルモーザー氏が彼の再出発を心から祝う場面。これだけでも素晴らしいが、直前の挿絵で皆んなが楽しそうに食卓を囲む中で二人が乾杯をしていること、ホッツェンプロッツ・ディンプルモーザー・ゼッペル・カスパールの帽子が同じ帽子たてに置いてあること、そしてこの様子を見たゼッペルとカスパールがそれを本当に心の底から喜びシリーズお馴染みの同じ言葉を繰り返して誰かと関わりたくないくらい幸せになるという終わりを迎えたこと、など良い部分が沢山あり素晴らしい場面で合った。大どろぼうホッツェンプロッツが新しい人生をスタートし、それが他のキャラクター達に受け入れられ祝福されるこれ以上ないシリーズ最終作にふさわしい終わり方だった。 最後の中表紙で、自分の店の前で散々くしゃみしてきた嗅ぎタバコをやめパイプを吸い、きちんときた服とサングラスで不適に笑うホッツェンプロッツの姿がまさにハッピーエンドの象徴である。 おまけ:シリーズ全体を読んでみての感想 シリーズを全部読んで初めて感じたのは世界観の面白さである。消防車や自転車などがあり現代に近い時代のお話だと推測できるものの、シュロッターベック夫人をはじめとして魔法の存在がチラホラあったり千里眼の資格が国家から出されていたりと、昨今の伝奇物によくある現実とファンタジーがうまく融合した世界観もまた本シリーズの魅力ではなかろうか?身近さとフィクション的な面白さを同時に受けることができるのである。また魔法や千里眼にも制限や守るべき手法、抜け道があることも興味深くて面白い。 三作読んで好きなキャラクターベスト3を上げると、一番は大泥棒ホッツェンプロッツ。粗暴な泥棒でありながら、頭がよくトリックや企みを見破ったりよく考えて行動するのは敵役ながら見応えがあった。また案外素直でどこか抜けている点も愛嬌がある。三作目ではまさかの味方側ということで、第一作でも少し見せていた泥棒を続けることに精神的な負荷を感じている弱さや、描写だけでお腹が空く美味しそうなどろぼう料理を振る舞う場面、泥棒をやめて新しい仕事を探そうとする前向きさ、子供達と楽しそうにふざけたことを言い合う場面、自分が改心したとしても周りには受け入れられないのではないかという疑念を持つ悲哀など、今まで見られなかった側面が見れてますます好きになってしまった。最後の最後に報われて本当に嬉しかった。 次に好きなキャラクターはカスパールのおばあさん。前作で店が開いてない日でも食べ物を取り寄せられるコネを持っていたりお菓子の味のするカボチャを育てていたり、不思議で神秘的で素朴な魔女のようなキャラクターでありとても気に入った。三作目では怯えながらもホッツェンプロッツの対峙するシーンもあり、この年齢でも成長する逞しい老人なのも好きである。何より作るご飯が毎度毎度美味しそうなのだ! 三番目はディンプルモーザー氏。第二作は多くの場面で視点人物として活躍しており思い入れも強い。少し頑迷で抜けている部分もあるが、真面目で責任感や行動力が強く申し訳ない真似をすれば素直に謝るという美点を多く兼ね備えた人物だ。町の人たちに好かれているというのがよくわかるし最初に良い印象を持っていなかったバスティやホッツェンプロッツとも最終的に和解して仲良くなっている良い人ぶりには、最後まで読んだ読者も魅了されてしまう。
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シリーズ最終作。再読したいけど、読み終わった後で「この作品世界から帰りたくない」って痛切に感じるジレンマが…。でも、お薦めです!
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