手に負えない改革者 メルヴィル・デューイの生涯

ウェイン・A.ウィーガンド(著者), 川崎良孝(著者)

• 販売会社／発売会社: 日本図書館協会
• 発売年月日: 2004/09/01
• JAN: 9784820404163

商品レビュー

2021/01/22

図書館文化史の授業のレポート用に読んだ。
主に第1章、生誕からデューイ十進分類法の提出のところ。
デューイは様々な図書分類法を学び、それぞれの長所を組み合わせてDDCを生み出したということが分かった。

2009/12/21

2009 12/20読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りて読んだ。

今なお改訂され続け世界的に利用されている図書館分類、デューイ十進分類の考案者にして、アメリカ図書館協会設立の立役者、図書館学校のモデルの確立者、図書館用品店の創設など現在の図書館界に一個人とは思えないほど多大な影響を与えた人物について、原資料に基づき書かれた伝記。

能力の高さと熱意を評価され様々な地位を得て、余人では考えられないような成果をあげているのに、権限を逸脱しがちで誇張的、かつ自分の構想の実現のために時に手段を選ばないことから内部の支持を失っていき立場を失う・・・しかし後には偉大な功績が残る、と言うことが幾度か繰り返される。
ユダヤ人を差別し、女性には抑制が効かず嫌がられ、自分の誤りは認めようとしない。
大義のためなら多少の逸脱も気にしようとしない。
全編を通じて「ちょ、もう少し大人しくしていれば・・・」と思うことも多いのだが、しかしそこで大人しくしていなかったからこそこれだけの業績をあげたのかも知れないとも思えてくる。

端から見ている分には有能で凄い奴だけど近づきたくはない相手と思われる向きも多そうだが。
個人的には（自分は白人ではないし酒を飲むしデューイが悪書と断じるであろう本も好きなので彼からは好かれないだろうが）近くで「おま、少し自重しろよ！」とでも突っ込みながら、あるいは公然と（『ライブラリー・ジャーナル』のバウカーのように）批判的な態度をとりながらであっても、同時代に近くで見ていられたら面白い人だったんだろうな、と思う。

・・・巻き込まれたらたまったものではないだろうが。
あと自分の家族（女性）は絶対に近づけたくない。
金も貸したくない。
名前も貸したくない。
あれ、やっぱ同時代にいたくない？（爆）