亭主の家出

吉村昭(著者)

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 1977/03/01
• JAN: 9784163042206

商品レビュー

2017/08/20

2017.08.20
ホテルの結婚式場に勤めている亭主が結婚のことについて色々と書いてるけど、結婚式場なんて喜びでいっぱいだろうと思ったけどそうでもないんだと今更のように感じた。哀しむ職業はしたくないと思って葬儀屋は無理かと思ったけど、結婚式場は良いかなくらいに思ってたけどそうでもないな。ドラマがあり過ぎそう！やっぱり人と人を結び付ける仕事が良いかな？
「兵を使えず将校を使える将軍になれ」は身に沁みた•••。

2013/08/24

著者には珍しいユーモア小説。42歳の一流ホテルに勤めるサラリーマンが何となく妻との間に隙間風を感じ、家に居づらくなる。職場で経験する馬鹿馬鹿しい結婚式、結婚式を巡るトラブルの模様。主人公と21歳の巫女アルバイトのデートの場面を通して主人公が淋しい思いをさざるを得ない場面などは、53歳である自分自身の叔父さん度の惨めさを更に感じました。そして「亭主の館」という桃源郷はお笑いです。実にいろいろな妻から夫たちが逃げてきた駆込み寺なのです。熟年離婚が囁かれる今日、もう少し夫婦の本質に迫る深刻な本かなと思ったのですが、やや軽すぎという印象でした。吉村昭が若い日にはこのような小説を書いていたのは驚きです。