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あこがれ狂おしく燃え 禁姉 フランス書院文庫
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あこがれ狂おしく燃え 禁姉 フランス書院文庫

廣瀬森【著】

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あこがれ狂おしく燃え 禁姉 フランス書院文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 フランス書院
発売年月日 2010/10/25
JAN 9784829617496

あこがれ狂おしく燃え

¥440

商品レビュー

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2014/02/23

相姦モノとして良くも悪くも古式ゆかしい

今のところこの作者のデビュー作にして唯一の作品。タイトルにある『あこがれ』『狂おしく』『燃え』『禁姉』『タブー』は内容的に全て的を射ている。12年もの間離ればなれになっていた姉。10歳も年上につき27歳の美女に変貌していた姉。この姉へのあこがれが強烈な恋となり、背徳に憂い、悩み、...

今のところこの作者のデビュー作にして唯一の作品。タイトルにある『あこがれ』『狂おしく』『燃え』『禁姉』『タブー』は内容的に全て的を射ている。12年もの間離ればなれになっていた姉。10歳も年上につき27歳の美女に変貌していた姉。この姉へのあこがれが強烈な恋となり、背徳に憂い、悩み、すれ違いながらも最後には禁忌を越えて狂おしく刹那に燃える物語である。他に同級生の恋人(実質的には友達以上、恋人未満っぽくもあるが)とその母(37歳)も出てくるが、この2人は話が本線へ帰着するための迂回路であり、官能的にも焦らし役だったり、その役目さえ与えられずに不憫な立場に立たされて中盤で退場したりしている。メインはあくまでも姉弟の相姦である。 しかしながら、その構成は古式ゆかしいものと言わねばなるまい。姉の下着へのフェティッシュな描写や自慰、あるいは前戯ばかりで思い悩み、躊躇しては一向に進展しない官能場面が終盤まで延々と続く。今度こそはと読み手に思わせながら、その直前で(そこそこにドラマチックな演出ではあるが)思い留まる場面すらある。許されぬ愛情と肉欲に懊悩する心情を軸とする展開により、要するにちっともいやらしくならないのである。昭和までの、あるいは20世紀までの「黒本」相姦作品群を連想させる焦らしっぷりには登場人物の誰一人として悲劇とまではいかないものの報われないというか、朗らかな幸せが訪れないオマケ付きである。 それならそれでドラマ部分でしっかり読ませて補完すべきであり、それを狙っているようにも感じるのだが、クライマックスとして描かれた姉弟の最後の一夜でボルテージが急上昇するのは良しとしても、そこに至るまでの道筋は少々ぎこちなく、登場人物それぞれの心の機微を描くには何だかチグハグしていた印象もあった。また、相応にリアルな感覚を登場人物に持たせ、行動させているのも逆に新鮮ではあったが、それにより官能面がスポイルされては本末転倒というか、何より勿体ない。 勝手な想像ながら、この作者が往年の心情重視な相姦禁忌に憧れて本作を執筆したのならば登場が10年は遅かったのかもしれず、軽薄さを増すばかりの現代ではやはりそぐわない面のある世界観と申し上げる他ない。イマドキは、あこがれ狂おしく「萌え」なのである。

DSK

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