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灰 百年文庫35
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灰 百年文庫35

中島敦, 石川淳, 島尾敏雄【著】

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灰 百年文庫35

定価 ¥825

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ポプラ社
発売年月日 2010/10/01
JAN 9784591119174

¥550

商品レビュー

3.7

9件のお客様レビュー

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2023/12/23

“灰” この一文字からの物語は、読前に想像し難い。 中島敦『かめれおん日記』 石川淳『明月珠』 島尾敏雄『アスファルトと蜘蛛の子ら』 元々、中島敦が読みたくて手に取った本。 カメレオンとともに暮らしながら、ひとり苦しみ悶える。 自己矛盾と困惑、不安と焦燥……。 全てを「灰色...

“灰” この一文字からの物語は、読前に想像し難い。 中島敦『かめれおん日記』 石川淳『明月珠』 島尾敏雄『アスファルトと蜘蛛の子ら』 元々、中島敦が読みたくて手に取った本。 カメレオンとともに暮らしながら、ひとり苦しみ悶える。 自己矛盾と困惑、不安と焦燥……。 全てを「灰色の概念」としてしまう、精神を切り刻む自傷行為のよう。 一方で、職場の人たちや町の様子を観察していく様子には、客観的描写のなかにどこか温かさがある。……そして、日々淡々と過ぎていく。 いいでしょう〜?中島敦。 あとの二篇は戦火の後の「灰」、読後の印象はそれぞれ異なる。

Posted by ブクログ

2023/05/30

かめれおん日記は何度目かの再読だが、読むたびに発見がある。スピノザが引用されていたとか完全に忘れていた。 石川淳は永井荷風との関わり(とも言えないか)を戦災と重ねて振り返る。 島尾敏雄は戦争末期の体験を命の際から見つめる。 53/100

Posted by ブクログ

2021/10/28

いわゆる文豪と呼ばれる人の作品を読むといつも、言葉の後ろに強い芯があるのを感じ、こちらがどう挑もうとも必ず押し返してくるよう確かな手応えがあって、読み飽きない。言葉のリズムの軽妙さ、単語一つ一つが包含する意味の豊かさがまた、物語の世界を広げるよう。 この「灰」に含まれる3つの短編...

いわゆる文豪と呼ばれる人の作品を読むといつも、言葉の後ろに強い芯があるのを感じ、こちらがどう挑もうとも必ず押し返してくるよう確かな手応えがあって、読み飽きない。言葉のリズムの軽妙さ、単語一つ一つが包含する意味の豊かさがまた、物語の世界を広げるよう。 この「灰」に含まれる3つの短編は、そのタイトル通り、内容は明るくない。でも、人間の心の本質、特に窮地に陥った時の心の動きが描き込まれていて、暗い中にも鮮やかに浮かぶものがある。 特に3編めの「アスファルトと蜘蛛の子ら」が好きだった。敗戦の日の、死を覚悟しつつ、どうにか人と交わっていたいという不思議な衝動、諦観と期待がぐるぐるしている人間の割り切れなさが描かれている。 良いとか悪いとかではなく、そうであったこと。当時の人たちが皆このような思いを抱いたかどうかはわからないけど、確かにこんな気持ちの人もいただろう、多分私もこう感じたかも知れない、という気持ちになる。 他の2編も、すこし世間とずれて上手く立ち回れない人の話、である。きっと誰しも多かれ少なかれこういう部分を持っていて、共感できたり、慰められたり、なにがしか心が動くのではないかと思った。

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