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マニラ-光る爪
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | めこん |
発売年月日 | 1981/07/01 |
JAN | 9784839600105 |
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マニラ-光る爪
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商品レビュー
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タガログ語で書かれたフィリピンの小説。 出版社めこん・による「アジアの現代文学」というシリーズの一冊だが、1966年に上梓された、いまから半世紀前の作品である。これほどの年代の隔たりを現代と呼ぶことに疑問を感じるが、このことは東南アジア文学の紹介自体の少なさを、端的に物語っている。 本作は、失踪した恋人を探すためにフィリピンの農村から大都市マニラへ出てきた青年の物語である。農村の伝統的社会と、それら伝統から切り離された都市と、その相克が小説の一つの柱を成す。 手法はリアリズム。労働階級の搾取される様や、経済的にマニラ社会を支配下に置く中国系フィリピン人との軋轢が、熱度をもって描かれる。身を売る貧しい女性の姿も、ある種のフィリピン社会の常識として冷酷に描かれている。 文学作品としては、まず上記の社会悪の「告発」が前面に出ており、長い歴史を重ねて醸成されてきた「怒り」を文章に乗せることが眼目のように読める。 結末は、怒りの嵩じた男の復讐と破滅が待っている。読者はさながら、富めるものの搾取と下層市民の被害者としての「固定化」を告げられるような読後感を抱かせられる。 若干、カタルシスが強めに出た、ワンテーマ色の強い小説と感じる。主人公の若者をとらえる、歴史的に積み重なった「怒り」の起源などを感じさせる広がりがあれば、もっと素晴らしい作品になるのだろうと感じていたら、そこは訳者も同意見なのか、解説で紙数を割いて、背景の説明がなされていた。
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