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桶狭間の戦い 歴史新書y
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 洋泉社 |
発売年月日 | 2010/10/07 |
JAN | 9784862486400 |
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商品レビュー
2.5
5件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
2010年刊行。「信長公記」の記述を忠実に解釈し、迂回奇襲戦を通説とする桶狭間合戦に批判的検討を加えようとするもの。武岡淳彦氏や小和田哲男氏の論に対する批判はなるほどと思う。特に、前者の「特務機関論」は近代組織との混同も甚だしい。また「甲陽軍艦」による「乱取状況急襲説」(黒田日出男氏)への反論もまずまず(ただし、著者も肯定するが、乱取が全くなかったとまではいえない)。が、太田満明説への批判は?。彼の立論は商業的基盤に基づく織田軍の動員兵力が通説よりも多いこと、少数兵力による誘出し戦術の2点だ。 細かなところの誤謬をいくら指摘しても、上記の点の反論がなされてなければ、説得力を欠く。戦力の可及的一点集中とそれの短時間運用という点は、両者の違いがないように思えるので、批判をするならば、商業的基盤に基づく動員兵力の問題はきちんと回答する必要があるだろう。 ちなみに、本著者の手になる「信長の戦国軍事学」(既読)は、著者いわく本書の基底・ベースとなっているらしい。さもありなん。
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桶狭間の戦いに関して、従来の定説である「迂回・奇襲」を真っ向から否定する桶狭間論。作者の藤本氏の言うように従来の説には疑問点が多い。その論は『信長公記』を根拠としているから説得力がある。 桶狭間の戦いは、織田信長が今川方に城である鳴海城を砦(付城)で封鎖し、鳴海城に危機を救...
桶狭間の戦いに関して、従来の定説である「迂回・奇襲」を真っ向から否定する桶狭間論。作者の藤本氏の言うように従来の説には疑問点が多い。その論は『信長公記』を根拠としているから説得力がある。 桶狭間の戦いは、織田信長が今川方に城である鳴海城を砦(付城)で封鎖し、鳴海城に危機を救うために今川義元が出陣したというのが真相らしい。つまり織田から仕掛けた戦争であり、今川義元が上洛を志していたというのは怪しい。そして、真正面から今川の軍に攻めかかり撃破した、というのが事実だと筆者は主張しているわけだ。 藤本氏の作品は『信長の戦争』というのを読んだ事があるが 桶狭間の戦いのみを取り上げたこの本も非常に面白かった。梁田政綱の諜報に対して莫大な恩賞を与えたというのも怪しい話だというのも新鮮だったし、新しい発見が多かった。藤本氏の論理の進め方も巧みで、勉強になった。
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この本は、あの有名な「桶狭間の戦い」に関して様々な説が出ている(と私は思っていました)中での最終解答のようなものでした。結論から言えば、30年前に私が高校の日本史の授業で習った後でも、数々の歴史番組等で語られてきた内容とは異なり、織田信長が今川義元に勝ったのは、迂回攻撃でも雨の中...
この本は、あの有名な「桶狭間の戦い」に関して様々な説が出ている(と私は思っていました)中での最終解答のようなものでした。結論から言えば、30年前に私が高校の日本史の授業で習った後でも、数々の歴史番組等で語られてきた内容とは異なり、織田信長が今川義元に勝ったのは、迂回攻撃でも雨の中の突撃でもなく、正面攻撃で雨が止んでから行ったということです。 本の内容を引用すれば、信長が雨があがったところで前軍を攻撃し、撃破された前軍の混乱が後方の義元の本陣に波及、全軍総崩れとなった(p46)が解答のようですね。 確かに、高校生の時にも、軍隊が昼食をとる場所を、谷間に誘導できたのだろうかと不思議に思っていましたが、実際には桶狭間「山」という高台に陣を構えていたようですね。少し拍子抜けのような気はしましたが、この本に書かれていることは、歴史界ではほぼ定説になっているようですね。 この本にも書かれているように、桶狭間の戦いは、戦史上において、総大将が討ち取れた唯一の戦いと言われても良い、特別な戦いなので、さらなる研究結果が出てくれば楽しいと思いました。 以下は気になったポイントです。 ・長篠の戦において、武田軍の銃兵の射撃によって、織田・徳川軍の銃兵がバタバタ打倒される様子を描いた「長篠合戦図屏風」の異本がある(p10) ・信長が雨があがったところで前軍を攻撃し、撃破された前軍の混乱が後方の義元の本陣に波及、全軍総崩れとなったのが、「信長公記」の素直な読み方(p46) ・義元の旗本の奮戦ぶりは大したもの、大混乱の最中に300人もの人間が結集しただけでも称賛に値する(p54) ・主力決戦が午後に起きたケースは珍しい、信長の積極的な陣頭指揮と部下の勇戦奮闘により勝利が得られたのは幸運である(p57) ・近代国家の兵士は、軍律・社会的制裁・愛国心で縛られているから将軍は兵士に理不尽な戦闘を命じることができるが、戦国武士は、主人との間の契約関係で動いていたから限界がある(p60) ・桶狭間の戦いの後、後継者氏真が降伏したのは9年後、姉川の戦いで浅井・朝倉を破って目う防させたのは3年後、長篠の戦で勝頼を破って滅亡したのは7年後であり、決戦勝利が敵の滅亡に直結していない、これは秀吉・家康とは異なる(p65) ・桶狭間の戦いまでに、赤塚・萱津・村木砦・清州城・稲生・浮野・岩倉城攻略で、寡兵で大軍を破っていて、信長の実力は知られている(p172) 2013年5月18日作成
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