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「踊る大捜査線」は日本映画の何を変えたのか 幻冬舎新書

日本映画専門チャンネル【編】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 幻冬舎
発売年月日 2010/09/30
JAN 9784344981867

「踊る大捜査線」は日本映画の何を変えたのか

¥110

商品レビュー

3

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2013/02/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

社会現象となった「踊る大捜査線」。日本映画をどんな影響を与えた、どんな「功」と「罪」をもたらしたか、日本映画に携わる10人がそれぞれの主張を繰り広げて行く。 私は何を隠そう、高校時代、ドラマシリーズが放送されていた時から「踊る」のファン。織田さんが好きなわけじゃないけど。スケールの大きさと、緻密なドラマの設定、それと何よりもそれぞれのキャラクターの魅力に惹かれてるのかな。 「踊る」以前の刑事モノは、人情モノがメインだった。「踊る」が画期的だったのは、警察内での本店(本部)と支店(所轄)との軋轢や、内部の組織系統を初めて一般に知らしめた、ということ。青島君が、室井さんに、「何で上の情報が降りて来ないんすかー?現場のことよく知ってるのは俺らなんすよ!」って一言に凝縮されてる気がする。 あと、「踊る」では、犯人のバックグラウンドを描かない、ということを徹底しているらしい。あくまで主役のイチ刑事である青島君の視点でストーリーを進行させたいため、らしい。 面白いな、と思ったのが、第三章の元警視庁捜査一課の飯田裕久さん。まだ刑事のとき、所轄の食堂のおばちゃんに捜査一課、と言うと、蔑んだ目で見られたらしい。 おばちゃんが「踊る」の影響で、「捜査一課は所轄をこき使う悪い奴ら」というイメージを持っていたためだと言う。何だか少し笑える。実際はそこまで本部の方々も威張ってはいないらしい。こういう裏のエピソードは面白い。 この飯田さん、警察を退職後は、様々な刑事ドラマの監修や演技指導に携わっているらしい。そんな職業も有るんだ。ドラマのリアリティはそこから生まれてるんだね。 シリーズは、映画も欠かさず観に行っている。私は個人的に水野美紀さん扮する雪乃さんが好きなので、ファイナルで出演してくれてとてもうれしかった。でも、刑事役の雪乃さんがもう一回見たいので、密かに続編期待している。 それと、慎吾ちゃんのあの役は未だに納得出来ない。あんな出演の仕方、ファンとしては辛い。。 まだまだ語れそうなのだがこの辺にしておく。今週末あたり映画また観ようかな!

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2012/08/25

今や日本を代表する映画(およびテレビドラマ)となった踊る大捜査線について、撮影関係者、映画関係者、更には有識者がそれぞれに筆を執った「踊る大捜査線」論である。興味深いことに、決して踊る大捜査線を褒め称える、あるいは成功理由をありきたりの枠組みで語るというだけではなく、批判的な側面...

今や日本を代表する映画(およびテレビドラマ)となった踊る大捜査線について、撮影関係者、映画関係者、更には有識者がそれぞれに筆を執った「踊る大捜査線」論である。興味深いことに、決して踊る大捜査線を褒め称える、あるいは成功理由をありきたりの枠組みで語るというだけではなく、批判的な側面からも議論が進められている。続きはブログ→http://hiderot.blogspot.jp/2012/06/blog-post_25.html

Posted by ブクログ

2011/10/09

去年の夏、日本映画専門チャンネルがインタビュー特集を編集したもの。 この本は、一点のみあの番組より大きな変更がある。 それは最終章のこの作品のプロデューサー亀山千広のインタビューである。なんと、彼はそれまでの9人のインタビューを全部見た上で、彼らに反論、付言をしているのである...

去年の夏、日本映画専門チャンネルがインタビュー特集を編集したもの。 この本は、一点のみあの番組より大きな変更がある。 それは最終章のこの作品のプロデューサー亀山千広のインタビューである。なんと、彼はそれまでの9人のインタビューを全部見た上で、彼らに反論、付言をしているのである。反則といえば、反則。ただ、この亀山インタビューを見れば、この本のいいたいことは総て見えるという仕組みになっている。そして図らずも、彼が反論しなかった点こそ、「踊る」の最大の弱点なのではないか、と私は思うのだ。 まず、彼の反論を見ていこう。 テレビのレギュラーのときから「犯人のバックグラウンドを描かない」という方針をとっています。そのことが日本映画をだめにしていったのではないかという、荒井晴彦さんなどの厳しい意見もあります。(略)参考にしたのは「ER」など、当時復活しつつあったアメリカのテレビドラマです。これはモジュラー型と言って、主な出演者全員に光を当てる群像ドラマです。ですから「ER」は緊急救命室を舞台にしていますが、患者のドラマは描いていません。(略)この現実をありのままに描くのが現代のドラマだと僕たちは思いました。だからテレビドラマではひとつの犯罪を描くことはしないと判断したのです。 あえて言わせてもらうと、必ずヒーローが勝って、その瞬間世界が平和になる、というようなことを一切描かなかったのが、うけた理由のひとつかもしれません。 映画館に入ったときと出たときとでは、何も世の中変わっていないけれど、主人公に同化して痛かった、よかった、笑った、泣いたという経験が出来ればいい。今までの日本映画も、かなりの作品がそうだったのではないでしょうか。例えば山田洋次監督の「男はつらいよ」などは、マンネリといわれながらも、お客さんは毎年正月になると映画館に足を運んだ。 テレビで放送することが前提だから、セックスも暴力もない映画が増えて、健全でつまらなくなってしまった。これも荒井晴彦さんの指摘ですが、こういう意見もこれまでにも当然聞こえています。(略)映画化したからと言っていきなり残虐になるとか、いきなりセクシーになるというのはひとつの手としてはあるかもしれませんが不自然です。 →亀山さんは、荒井さんの批判かには雄弁に「反論」しているのですが、白木緑さんの意見に対してはトタンに歯切れが悪くなります。 テレビ局がかつてない興行成績を稼ぐヒット作を出しても、映画界全体の興行収入は横ばい。なぜならば、それは観客を増やしているのではなくパイの奪い合いをしているだけだからだ。白木緑さんはそう指摘しています。それはその通りだと思います。でもぼくらは少しずつパイを広げていくことをめざしているつもりです。(略)もし「何もすることねえな。映画でも見るか」という人が映画を見に行って「意外とおもしれえじゃん、これ」という体験をさせることが出来たら、「今度休みにすることがなかったら映画にいこう」と思うようになるかもしれない。だとしたら、映画界の未来は明るい。 →実は、白木さんは「パイの奪い」を一番に問題にしたわけではありません。「観客を増やしていない」それはつまり、「踊る」は結局「映画ファンを増やさなかった」ということを問題にしているわけです。確かに、「意外とおもしれえじやん」と思った人はいるかもしれない。けれどもデータ的には違うということも一方で出てきているわけです。白木さんは「踊る」だけの責任ではない、と何回言及しています。映画ファンを増やす取り組みは映画界全体でしなくてはいけないことではあります。けれども、パイの奪い合いの結果、「二時間で人生を変える」映画を見損なって潜在映画ファンを喪った可能性はどうなるのでしょう。 →白木緑さんは別のところでこういうことも言っています。テレビ界は偶々「映画」というコンテンツを作っているだけだ。「だからもし次ぎに映画館よりももっと魅力のある、お客さんが喜んでくれる場所が見つかったらどうなるか。それはおそらくネット空間だと思いますが、そこへコンテンツは移動していってしまうでしょう」亀山さん自身の意思とは別にそういうことは起きるかもしれない。そういう批判に対しては、亀山さんは沈黙しています。 →もちろん「踊る」だけの責任ではない。けれども、「踊る」が育てたテレビ主導の「邦画バブル」はもうあまり続かないでしょう。「踊る」と同じ手法で作った今年の「sp」の無残な内容、小ヒットで終った結果などを見ているとそう思うのです。 →「噛めば噛むほど味が出る」そういう映画に出会うこと、それを広めること、それはもしかしたら、私たちの仕事なのかもしれません。

Posted by ブクログ

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