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三国志(第六巻) 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2010/10/07 |
JAN | 9784167259266 |
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三国志(第六巻)
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商品レビュー
4.3
13件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
いよいよ赤壁の戦いです。 その前に、いよいよ劉備と諸葛亮が出会います。 しかし、諸葛亮は劉備がどのように生きてきたのかを知っています。 ”妻子にも従者にも酷薄な人で、学問を嫌ったせいで浅学であり、知者や賢人を敬ったことがない。とりたててくれた公孫瓚をみかぎり、厚遇してくれた早々に後ろ足で砂をかけた。(中略)群雄のなかで劉備ほど無能な人はいなかったのに、豪傑が淘汰されてきた現在、何もしない劉備に輿望がある。” しかし、情もないけど欲もない人なのです。 諸葛亮は劉備のもとに行き、劉備を盛り立て、劉備の欠点を隠しながら呉と交渉をするのです。 劉備が諸葛亮を信頼し、それにつれて人となりも多少変わってきます。 逃げないで守ることを覚え始めたのです。 が、それによって、劉備と、関羽や張飛との間に隙間が空いてきます。 ちなみに呉の周瑜はこれっぽっちも劉備を信頼していません。 ”劉備は公孫瓚に拾われたのに公孫瓚をみかぎり、陶謙の好意に浴したのにその遺児と徐州を保てず、呂布に迫害されたため曹操のもとへ逃げこみ、礼遇されながら、そこから逃げ出し、うけいれてくれた袁紹の衰運をみるや荊州へ移り、劉表のためにほとんど働かなかった。” だから赤壁の戦いでも劉備たちの出る幕はほとんどありません。 安全な場所で様子見しているのみ。史実はそんなもの。 だいたい、曹操が虐殺を行った徐州の民は曹操を嫌っているため劉備につきますが、それ以外の場所では劉備を慕ってついていく民衆や、「行かないでください」とすがる人たちはほとんどいなかったようです。 行政手腕がないから。 それに引き換え ”曹操は歴史から教訓を抽(ひ)きだしつづけた者であり、その勤勉さによって活用されたものは少なくあるまい。いわば曹操には文化力がある。文化は精神の光源となり得る。その明るさにひきよせられた人は多いであろう。” 以前吉川英治の三国志を読んだとき、蜀には有能な人材がそろっていたようだったけど、なぜそれで天下が取れなかったんだろうと不思議だったんですよね。 口ばっかりの理想主義者で、無能だからだと思っていたのですが、どうも人材も関羽と張飛と趙雲くらいしか今のところいない。 関羽と張飛はならずものなので、彼らが有能な人材を遠ざけているとまで書かれていて、それじゃあ天下は取れないよね。 肝心の劉備も欲も実力もないし。 でも運だけは良い。これも才能? 三国時代をつくったのは間違いなく諸葛亮ですな。 彼がいなければ劉備が世に出ることは出来なくて、帝を抱いた曹操がそのまま後漢時代を継続させたかもしれない。 いつ、帝をみかぎり魏という国を創ろうと思ったのかは今後を読まなければわからないけど、今のところその野望は見えていません。 危険な作戦が成功した時の曹操。 ”わが遠征は、危険にみちており、僥倖があったにすぎぬ。成功したのは、天の佐(たす)けがあったためである。それゆえ常にそのようにうまくゆくはずはない。諸君の戒めこそ万安の計です。賞するにふさわしい。今後も発言をひかえないでくれ” 曹操も50歳を過ぎて久しい。 いつまでこの曹操でいてくれるだろう。 晩年はちょっと問題ありだからなあ。
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赤壁の戦いが淡々と書かれている。宮城谷にかかっては、諸葛亮も魔術師ではなく、堅実なる軍師。 魯粛は、横山三国志では、オロオロとばかりしているが、この巻では、非常に頼りになる志士である。 呂蒙、甘寧など、呉の武将の安定さが際立つ巻であった。
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張飛のあざなが「翼徳」ではなく「益徳」になっているなど、『正史』準拠で面白い。無論、本巻で描かれる「赤壁の戦い」も正史に準じている。
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