インフレーション宇宙論 ビッグバンの前に何が起こったのか ブルーバックス

佐藤勝彦【著】

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2010/09/20
• JAN: 9784062576970

商品レビュー

2025/02/14

本書の出版は2010年。2009年に行ったカルチャーセンターの講座（全３回）の内容を元にしているとのこと。
著者は「インフレーション理論」を提唱したことで有名な、東大名誉教授の佐藤勝彦氏。同じ理論を独立に提唱したのがアメリカのアラン・グース（1947-）で、「インフレーション理論」の名付け親ということもあって、欧米では彼の方が有名なようだが、論文発表は佐藤氏の方が早い。1945年生まれだから今年（2025年）でちょうど80歳。ノーベル賞の受賞が期待されている。
インフレーション理論は「真空のエネルギー」によって相転移が起きることを説明した。宇宙が誕生してから極めて短い時間に指数関数的に宇宙が膨張した（佐藤氏は論文で「指数関数的膨張」と呼んだ）ことを示したのだ。そして、インフレーションによる相転移が「火の玉宇宙」を生み、それによって水素やヘリウムなどの元素が作られた。つまり、インフレーション理論は物質が生まれた根源に迫る理論なのだ。
宇宙誕生の直後に何が起きたかを明らかにしたインフレーション理論。本書で佐藤氏がしばしば「物理学の勝利」と呼ぶのも頷ける。

2024/10/02

真空のエネルギーとトンネル効果、不思議すぎておもしろい。トンネル効果は実証済みの現象みたいだけど、真空のエネルギーは現状は計算を成り立たせるツールって感じなのかな。

2023/02/08

雑学書や簡単な科学書にあるインフレーション理論についてその歴史とともに書かれています。

相対する学説や現時点での問題点も隠さず書かれていることでより自分なりの考えが生まれました。