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白檀の刑(下) 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2010/09/21 |
JAN | 9784122053670 |
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白檀の刑(下)
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商品レビュー
4.5
14件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
めええっさやばかった。終盤に至ってどう終わるんだろう…と思いながら読み進め、特に白檀の刑に処された孫丙を囲んで民百姓が猫腔を歌い出すところでピークだ!と思ったけど、あの締め方はまじ半端ない。凄い。本当に凄く。この本を読めて良かった。色々あったけどやっぱり銭丁が一番人間臭くて好きだなぁ…。大人物に見えて優柔不断なところとか、割と打算的で弱いところとか。中国戯曲で言うところの書生はなよっちくって本当にうわぁ…ってなるけど、一角の旦那がそれも進士の官僚が人間臭く悩んでるのにはぐっとくる。しかも悪役とかではなくて好人物の煩悩というところも良い。それが破れて目を背けてきた現実に淘汰され、自らあの結末を迎えるのも良い。ただの端役かと思いきや、この物語の軸は銭丁なような気もする。彼を取り巻くからこそ、孫丙も眉嬢も際立って見えた気がする。処刑の下りは生々しく小甲の下りはフィクショナルで微笑ましく義和団の下りは列強からの侵略が痛々しく孫丙の益荒男ぶりは古代の英雄のように猛々しく格好良く銭丁と眉嬢の男女のやり取りは色っぽかった。超良かった。
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前巻から引き続き、読みながら興奮覚めやらず。 読み終えたあとは、良い意味で脱力感。これぞ文学! と思い知らされた感じで、しばらくの間は何も読む気になれなかった。 原語で読めたら、とどれ程思ったことか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
どうしようもなく「えぐい」作品。恐ろしい処刑方法が次々と登場する。全体が芝居仕立てになっていて、そのストーリーは残酷で悲劇的、でも、演じられているのはどう見ても喜劇です。 先ずは主な登場人物である眉娘・趙甲・小甲・銭丁が順番に口上を述べる。犬肉小町と呼ばれる美女の眉娘は、実父の孫丙が死刑囚として捕らえられたことを嘆いている。孫丙の処刑に当たるのは西太后から白檀の数珠を賜った首席処刑人の趙甲。趙甲の息子の小甲は眉娘の夫で、妻の不貞にも気付かぬ間抜けである。そして、眉娘の不貞の相手は、孫丙を捕らえた県知事の銭丁。うーん、ややこしい人間関係。 物語は行きつ戻りつ、たびたび視点を変えながら進んで行く。しかし向かう先はひとつ。ドイツ鬼子は中国人を人だと思ってなどいない。軍閥の袁世凱は野心の塊で、列強におもねる奸臣。彼の命令でついに白檀の刑が執行され、孫丙は生かされず殺されず昇天台の上で晒しもの、その周りで賑やかな猫腔が歌われ、銃が火を噴き、多くの人々の血が流れ……。 作者は無用の教訓や批判は垂れない。ただ、情景を活写するのみ。この「えぐい」作品にここまで引き込まれるのは音や色彩や強烈な臭いまで感じさせてしまうほどの表現力が作者にあるから。ついには救いのない殺伐とした結末に至り、孫丙の最期の言葉で我に帰った読者は、魔術的手法で描きなおされてはいるけれど、これがかつて本当に中国であったことだと気付く。
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