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休戦 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2010/09/16 |
JAN | 9784003271711 |
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休戦
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商品レビュー
4.7
12件のお客様レビュー
フランクルの『夜と霧』の次に読んだ。淡々と、思った以上に明るく話が進むものの、その終わり方と最後に作者のその後を知ると、言いようもない苦しい気持ちになる。解放され、世界がどんどん「戦後」になっても、収容された彼らの戦いはずっとずっと終わらなかったんだなと。
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第二次世界大戦のソ連を舞台にした小説を読んだので、積読状態にしておいた同時期のこの本を読むことにした。 複雑性PTSDの患者の整理しようのない感情と絶え間ない苦痛と非人間的な環境に対する絶望の吐露ではじまり、自分の人生を取り戻せないまま終わる。 彼はがん治療で苦しむ母を見て呼...
第二次世界大戦のソ連を舞台にした小説を読んだので、積読状態にしておいた同時期のこの本を読むことにした。 複雑性PTSDの患者の整理しようのない感情と絶え間ない苦痛と非人間的な環境に対する絶望の吐露ではじまり、自分の人生を取り戻せないまま終わる。 彼はがん治療で苦しむ母を見て呼び起こされたラーゲリの記憶に、追い立てられるように投身自殺をした。彼はとうとうラーゲリ以前とラーゲリ以後の人生を統合できなかった。 読んでから気付いたけれど、この本の題名は「終戦」ではなく「休戦」だ。彼だけではなく多くの人が人生を戦争の悪夢に塗りつぶされてしまった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ギリシア人とツェーザレの生き方の対比が印象に残った。 ギリシア人が魚を売っていたら、子どもの視線にたえられず魚を放り出したツェーザレとは違い、やせて衰弱した女と子どもたちに何も残さなかったにちがいない。彼にとって、人生はいつも戦争なのだ。 「チェーザレは自由であり、ギリシア人は自分自身の奴隷だった。 後者は吝嗇で、理性的であり、前者は浪費家で、夢想家だった。ギリシア人は自分以外のすべてと永遠に戦う一匹狼で、歳よりもずっと老成しており、よこしまな野心の輪の中に閉じこめられていた。チェーザレは太陽の子で、全世界の友達であり、憎しみや侮蔑を知らず、空のように変わりやすく、陽気で、狡猾で、純真で、大胆かつ細心であり、ひどく無知で、とても無邪気で、非常にたしなみがあった」 「チェーザレの企てに立ち会うのは、それが控えめな、ありふれたものであろうとも、またとない経験になったからだ。それは生命力を高める、生きた見せ物であり、私と世界を和解させ、アウシュヴィッツが奪った生きる喜びを、私の中で燃え上がらせてくれたのだ」 ギリシア人は、ツェーザレよりもしぶとく、長く生きるやり方をしていると思う。それは、彼がアウシュビッツで二年間生き抜いたことが証明している。 しかし、それでは本当の人間にはなれない。彼はアウシュビッツから解放されても、奴隷のままなのだ。主人がドイツ人から自分自身に変わっただけである。 フロムの「愛するということ」と合わせて考えたい内容だった。
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