公会計情報活用論 徴税費を事例とした実証分析

金子邦博【著】

• 販売会社／発売会社: 税務経理協会
• 発売年月日: 2010/08/30
• JAN: 9784419055165

商品レビュー

2018/05/16

会計情報を活用していくことを推進していくという視点で、公的部門の会計制度のあり方を検討している。そして、徴税費の会計情報を実証分析の対象として、会計情報の活用を具体的に示している。
本書では、公会計の役割について、意思決定有用性アプローチをとり、過去の執行責任から派生する説明責任として捉えるよりも、今後の政策展開に対する資源投入の意思決定の合理性を高めるための情報提供であると主張している。
公会計情報の活用は、近年、よく言われる話だが、徴税費の会計情報を具体的に分析することで、公会計情報からどのようなことがわかるのか、どう活かせるのか、また、公会計情報を活用するためにどのような改革が必要なのかが、説得力をもって示されている。公会計情報の活用のためには、比較可能で信頼性の高い会計情報が必要であるということがよく理解できた。個別の徴税費の会計情報の分析も興味深かった。