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僕が出会った作家と作品 五木寛之選評集
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京書籍 |
発売年月日 | 2010/08/31 |
JAN | 9784487805020 |
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僕が出会った作家と作品
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商品レビュー
4.5
2件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
1932年(昭7)生まれ、1967年「蒼ざめた馬を見よ」で第56回直木賞受賞の五木寛之さん「僕が出会った作家と作品」、2010.9発行、いろいろな賞の作品に関する選評集です。692頁。若くして直木賞の選考委員になってます。1978年7月の第79回直木賞から。この時の選考者は9名。五木寛之、川口松太郎、源氏鶏太、今日出海、司馬遼太郎、城山三郎、水上勉、松本清張、村上元三。選考委員の出入りは激しく、それだけを追っても興味深いです。そして五木寛之さん、なんと沢山の選考委員を。すばる新人賞泉鏡花賞など10以上も。
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そうか、井上ひさしが逝って、五木寛之もつい先日、選考委員を辞退されたということは、つまり、もう直木三十五賞には何の値打もなくなったということです。 受賞したからといっても、本当に真の見識のある人がいなくなったのだから当然で、だから直木賞はとても薄っぺらな賞に成り下がるわけです。...
そうか、井上ひさしが逝って、五木寛之もつい先日、選考委員を辞退されたということは、つまり、もう直木三十五賞には何の値打もなくなったということです。 受賞したからといっても、本当に真の見識のある人がいなくなったのだから当然で、だから直木賞はとても薄っぺらな賞に成り下がるわけです。 っとまあ、その他大勢の選考委員の方々には悪いけど、そんな溜息とも泣言ともつかない戯言でも言ってみたくなるほど、本書に集められた直木三十五賞はじめ様々な賞に対する五木寛之の真摯なひたむきな誠意を込めた選評には強く魅かれます。 この本は、五木寛之という小説家が40年以上にわたってかかわった文学賞の選考批評を集めて総網羅した本です。編集としては別段むずかしい仕事ではないと思いますが、ちょうどこのタイミングで刊行されたことに大きな意味があります。 五木寛之といえば押しも押されぬ大作家なのに、そんな偉そうな権威主義的な態度や発言は微塵もないことはもちろんですが、一小説読みとしての興味津々な発言から熟練した先輩作家の老婆心ながらの提言までを含めて、その書き手の該当作品だけでなく今までの作品をも見通した、いわば彼もしくは彼女の文学の核心を突いた指摘さえも、限られた紙数のなかで活き活きと熱っぽく語る彼の姿を見るにつけ、ああ、本当にこの人は小説が好きで好きでたまらないんだ、真に日本の小説の行く末に一本の肯定的な筋道を考えているんだと思いました。 おそらく、もう残り時間が少ないからみたいなことで文学賞の選考委員をすべて止められたのだと思いますが、私を含めて今後もし小説を書いたとしても五木寛之に読んでもらうことは不可能だということで、ただこの分厚い691頁の選評集成を参考にするしかないということがとても残念な気がします。
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